【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ： 37,305.16 △56.81 （12/15）
NASDAQ： 14,813.92 △52.36 （12/15）
1.概況
先週末の米国市場は2024年の利下げを期待した買いと利益確定の売りが交錯するなか小幅に高安まちまちとなりました。53ドル安でスタートしたダウ平均は直後に156ドル安まで下落した後切り返すとプラスに転じ昼過ぎに50ドル高近くまで上昇しましたが、伸び悩むと再びマイナスとなり100ドル安近くまで下落しました。しかし、引けにかけて持ち直すと結局56ドル高の37,305ドルで取引を終え7日続伸となり、3日連続で史上最高値を更新しています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も52ポイント高の14,813ポイントとこちらも7日続伸となり、6日連続で年初来高値を更新しています。一方でS&P500株価指数は0.3ポイント安の4,719ポイントと7日ぶりに反落となっています。
2.経済指標等
12月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数はマイナス14.5と前月から大きく低下し市場予想を下回りました。11月の米鉱工業生産指数は前月比0.2％上昇に止まり市場予想と一致しました。 設備稼働率は78.8％と前月から上昇しましたが市場予想を下回っています。さらに12月の米製造業PMI速報値も48.2と前月から低下し市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や不動産、ヘルスケア、エネルギーなどの8業種が下げ、公益事業と不動産が1％を超える下落となりました。一方で情報技術と一般消費財・サービス、コミュニケーション・サービスの3業種が上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではボーイング［BA］が3％以上上昇したほか、インテル［INTC］も2％余り上げました。セールスフォース［CRM］とマイクロソフト［MSFT］も1％を超える上昇となり、アメリカン・エキスプレス［AXP］も1％近く上げています。一方でベライゾン・コミュニケーションズ［VZ］とジョンソン・エンド・ジョンソン［JNJ］が1％以上下げ、マクドナルド［MCD］も1％近く下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では、会員制量販店のコストコ・ホールセール［COST］が決算で1株利益が市場予想を上回ったうえ、特別配当を発表したことから4％を超える上昇となっています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は変わらずの3.91％となりました。ドル円は142円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は先週末の米国市場が小幅に高安まちまちとなり、新たな買い材料に乏しいことから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
（マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之）
