東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高と円高一服を受けて3日ぶりに反発となりました。357円高の32,665円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ安値に上げ幅を広げると9時20分に625円高の32,933円まで上昇しましたが、買い一巡後に伸び悩むと後場に入り13時前には424円高の32,732円まで上げ幅を縮めました。しかし、その後も堅調に推移すると結局483円高の32,791円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

鳥貴族ホールディングス(3193)が17.7%上昇しストップ高となりました。新型コロナウイルス禍による行動制限がなくなり主力の居酒屋「鳥貴族」での客数が伸びたことなどから第1四半期の営業利益が前年同期比で11.7倍と急回復をみせたことで買いを集めました。国内外で製造業などへの人材派遣を手がけるアウトソーシング(2427)も26.0%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。米投資ファンドのベインキャピタルが2024年1月下旬をめどに1株1,755円でTOB(株式公開買い付け)を実施し、MBO(経営陣が参加する買収)で株式を非公開化すると発表したことで買いが膨らみました。また、先週末の米国市場でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数が年初来高値を更新したことから半導体関連株が高く、東京エレクトロン(8035)が一時3.8%高、レーザーテック(6920)が一時4.0%高、SCREENホールディングス(7735)が一時4.4%高、アドバンテスト(6857)が一時3.4%高、ディスコ(6146)も一時2.8%高となり、レーザーテックが年初来高値を更新し、SCREENホールディングスも上場来高値を更新しました。さらに東証スタンダード市場では丸千代山岡家(3399)が一時10.3%高となりました。客数が大幅に伸びたことで11月の既存店売上高が前年同月比で34.5%増となったことから大幅高となりました。

一方でgumi(3903)が一時7.7%安となり上場来安値を更新しました。8月に配信を開始したロールプレイングゲームの売り上げが想定を下回ったことなどで上期の営業損益が19億円を超す赤字となったことから売りが優勢となりました。日本駐車場開発(2353)も一時5.9%安となりました。酷暑や台風などの影響によりテーマパーク事業の来客数が減少したことなどから第1四半期の営業利益が前年同期比で24%減となったことで売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は483円高となりました。堅調な米雇用統計の結果を受けて先週末の米国市場で主要3指数が揃って年初来高値を更新したことに加え、円高の一服もあり買いが優勢となりました。また、先週7日と8日の2日間で1,100円以上下げていたこともあって上げ幅を大きく広げ一時は620円以上上昇する場面もありました。しかし、節目の33,000円を前に伸び悩みました。そのため今週は米消費者物価指数(CPI)や米連邦公開市場委員会(FOMC)といった重要イベントがあるなかで33,000円や25日移動平均線(33,059円)を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)