今週(12月1日~12月7日)の相場動向

相場回顧 BTC:現物ETFの承認が現実味を帯び急上昇

BTCは米国におけるインフレ鈍化の兆しを受けて米国株が年初来高値を更新する中、同様に買いが強まった。

1日に行われたパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演では利下げ時期に対して慎重な姿勢が示されたが、市場では利上げの打ち止め感も意識された。先月から米SECとビットコイン現物ETFの申請企業の間で協議が続いており、その承認への期待から買いが継続した。

4日にはブラックロックが申請書の修正版を提出し、さらにはビットコイン現物ETFの流動性提供のために資金調達したことが明らかになり、いよいよ承認間近との憶測が飛び交って価格もBTC=611万円(42,000ドル)付近まで急騰した。

その後も乗り遅れまいとする投資家の買いが入ってか、買いの勢いは衰えず一時BTC=655万円(45,000ドル)を記録した。週末にかけては米雇用統計の発表を前に上昇が一服した。

 

来週(12月8日~12月14日)の相場予想

BTCは年内最後となる米FOMC次第でさらに価格を伸ばすか、ETF期待も継続

来週は年内最後となるFOMC(米連邦公開市場委員会)を迎える。おそらく市場予想の通り金利の据え置きが発表されるだろうが、パウエルFRB議長が来年に向けた経済見通しや金融政策の方針についてどのように発言するかに注目が集まる。

1日の講演を引き継いで無難な内容となった場合は安心感で買いが強まる可能性があり、逆に利下げ観測をけん制するタカ派寄りの内容となった場合は売りが強まることが考えられる。

ブラックロックのビットコイン現物ETFを巡る動きによって一気に期待が高まっており、米SECは次の期限である来年1月にも承認するのではないかとの思惑が広がっている。

来週もこの期待が継続し、価格を伸ばすことは考えられる。期待先行で上昇している分、審査状況が後退した場合に反動売りが大きくなるリスクには警戒したい。しかし、ビットコインを中心に過熱感なく価格が伸びている(ドミナンスは55%まで上昇)ことから、年内残りで売りのタイミングが来ても下げ幅は限定的だろう。

直近上値として2022年3月高値付近であるBTC=698万円(48,000ドル)、下値として節目であるBTC=582万円(40,000ドル)を意識する。