東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて続伸となりました。300円高の33,752円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分余りで206円高の33,657円まで上げ幅を縮めた後切り返すと11時に366円高の33,817円まで上昇しました。しかし、その後伸び悩むと後場に入り14時50分に170円高の33,622円まで上げ幅を縮め結局173円高の33,625円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
三菱重工業(7011)が一時6.8%高となりました。政府の防衛予算増額を追い風に防衛宇宙事業の売上高が2026年度に現状の2倍の約1兆円になるとの見通しを明らかにし、足元で7%程度の事業利益率を10%程度に引き上げることを目指すとしたことで大幅高となりました。AGC(5201)も一時1.9%高となりました。2024年1-6月にもメッセンジャーRNA(mRNA)医薬品の原料の1つである「プラスミドDNA」の生産を千葉工場で始めると伝わったことで買いが優勢となりました。レゾナック・ホールディングス(4004)も一時6.3%高となり年初来高値を更新しました。米テック企業への営業力を高めるため半導体の後工程材料を総合的に研究開発する拠点を米シリコンバレーに開設し、2025年に運用を始めると発表したことで上げ幅を広げました。また、円高が一服していることを受けて自動車株が高く、トヨタ(7203)が一時3.1%高、日産(7201)が一時2.7%高、ホンダ(7267)が一時2.2%高、マツダ(7261)が一時4.1%高、SUBARU(7270)も一時1.9%高となりました。さらに東証グロース市場では医療従事者向けの情報サイトを展開するケアネット(2150)が21.4%上昇しストップ高となりました。東京証券取引所がケアネットの市場区分を29日付でプライム市場に変更すると発表したことで買いを集めました。一方で投資判断と目標株価の引き下げを受けて王子ホールディングス(3861)やダイキン工業(6367)が安く、王子ホールディングスが2.7%安、ダイキン工業も一時3.0%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は173円高となりました。昨日の米国市場は感謝祭の祝日で休場でしたが、22日の米国市場が反発したことから買いが優勢となりました。一時は360円以上上昇し7月3日に付けた年初来高値(33,753円)を上回る場面もありました。しかし、33,800円を小幅に上回ったところで伸び悩むと年初来高値を下回って取引を終えました。そのため来週も年初来高値を更新できるかがポイントとなりそうで、高値更新となれば年末株高への期待が一段と高まりそうです。なお、日本時間の23時45分には11月の米購買担当者景気指数(PMI)が発表される予定です。また、今晩の米国市場は感謝祭の翌日で短縮取引となります。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)