東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に続落となりました。65円高の33,453円で寄り付いた日経平均は直後に72円高の33,460円を付けましたが、伸び悩むとマイナスに転じ10時20分過ぎには133円安の33,254円まで下落しました。しかし、その後下げ渋ると昨日の終値を挟んで小幅にもみ合う展開となり結局33円安の33,354円で取引を終えています。一方で新興市場は高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
ニトリホールディングス(9843)が一時6.9%高となりました。円安基調が一服していることを受けてドル建てで輸入する商品の仕入れコスト減による利益率の改善を期待した買いが入りました。シャープ(6753)も一時11.2%高となり年初来高値を更新しました。呉柏勲社長が親会社である鴻海(ホンハイ)グループとの関係強化を含めた中期経営計画を来年に発表すると表明したと伝わったことから業績改善を期待した買いを集めました。ソフトバンクグループ(9984)も一時2.0%高となりました。英半導体設計のアーム・ホールディングス[ARM]が買いの投資判断を受けて昨日の米国市場で6%を超える上昇となったことからアーム・ホールディングスに出資するソフトバンクグループも買いが優勢となりました。また、昨日の米国市場で半導体製造装置関連株が堅調でアプライド・マテリアルズ[AMAT]やラム・リサーチ[LRCX]などが2%を超える上昇となった流れを受けて日本市場でも半導体製造装置関連銘柄が高く、なかでもSCREENホールディングス(7735)が一時3.4%高、アドバンテスト(6857)も一時3.6%高となりました。
一方で増資を発表したジーエス・ユアサ・コーポレーション(6674)やAZ-COM丸和ホールディングス(9090)が株式需給の悪化や1株利益の希薄化への懸念から大きく下げました。ジーエス・ユアサ・コーポレーションは公募増資とホンダ(7267)を引受先とする第三者割当増資で最大約471億円を調達すると発表したことで一時12.0%安となりました。AZ-COM丸和ホールディングスも公募増資などで最大約185億円を調達すると発表したことから一時11.6%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は33円安となりました。昨日の米国市場が上昇となった一方で、一時147円台前半まで円高が進むなど強弱材料が入り混じるなかで利益確定の売りが優勢となり続落となりました。しかし、下げ渋り小幅な下落にとどまったことから高値回復への期待は依然として高いといえそうです。なお、日本時間の22日午前0時に10月の米中古住宅販売件数が発表されるほか、午前4時には10月31日‐11月1日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表される予定です。また、21日の米国では画像処理半導体のエヌビディア[NVDA]が決算を発表する予定です。生成AI向け半導体で高いシェアを誇ることからマーケットでの注目度が高く、市場予想を上回るような好決算となればハイテク株全体に追い風となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)