【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,945.47  ▼45.74 (11/16)
NASDAQ: 14,113.67  △9.84 (11/16)

1.概況

米国市場は決算で市場予想を下回る見通しを発表した銘柄の下げが相場の重石となるなか小幅に高安まちまちとなりました。123ドル安でスタートしたダウ平均は朝方にプラスとなる場面もありましたが、31ドル高で伸び悩むとマイナスに転じ下げ幅を広げ取引終盤には173ドル安まで下落しました。しかし、引けにかけて急速に持ち直すと結局45ドル安の34,945ドルで取引を終え5日ぶりに反落となっています。一方でS&P500株価指数が5ポイント高の4,508ポイントと3日続伸となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も9ポイント高の14,113ポイントとこちらも3日続伸となりました。

2.経済指標等

11月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数はマイナス5.9と前月から改善し市場予想も上回りました。一方で10月の米鉱工業生産指数は前月比0.6%低下し市場予想を下回りました。設備稼働率も78.9%と前月から低下しこちらも市場予想を下回りました。11月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数も34と前月から低下し市場予想を下回っています。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万3000件増の23万1000件となり市場予想以上に悪化しました。さらに10月の米輸入物価指数は前月比0.8%低下し市場予想を下回ったうえ、米輸出物価指数も前月比1.1%低下し市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちコミュニケーション・サービスや情報技術、公益事業、ヘルスケアなどの7業種が上げ、コミュニケーション・サービスは1%近く上昇しました。一方でエネルギーと生活必需品、一般消費財・サービス、資本財・サービスの4業種が下げ、エネルギーが2%余り下落し、生活必需品も1%以上下げました。また、一般消費財・サービスも1%近く下落しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではインテル[INTC]が投資判断の引き上げを受けて6%を超える上昇となったほか、マクドナルド[MCD]も2%以上上げました。一方で決算で市場予想を下回る見通しを発表したシスコシステムズ[CSCO]やウォルマート[WMT]が安く、通期の売上高見通しが市場予想に届かなかったシスコシステムズが10%近く下げ、通期の1株利益見通しが市場予想を下回ったウォルマートも8%余り下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では百貨店のメーシーズ[M]が24年1月期通期の売上高見通しを上方修正したことから5%を上回る上昇となっています。アリババ集団の米預託証券(ADR)は計画していたクラウド事業の分離・独立(スピンオフ)を断念すると公表したことで9%以上下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.10%低い4.43%となりました。ドル円は150円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が小幅に高安まちまちとなったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか週末ということもあり様子見ムードの強い一日となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)