【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,827.70  △489.83 (11/14)
NASDAQ: 14,094.38  △326.64 (11/14)

1.概況

米国市場は10月の米消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化し市場予想を下回ったことから追加利上げ観測が一段と後退し大幅上昇となりました。243ドル高でスタートしたダウ平均は寄り付きを安値に上げ幅を広げ昼前に580ドル高余りまで上昇した後一旦伸び悩みました。しかし、再び上げ幅を広げると取引終盤には593ドル高まで上昇しました。その後引けにかけてやや弱含みましたが結局489ドル高の34,827ドルで取引を終え3日続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も326ポイント高の14,094ポイントと反発となりました。

2.経済指標等

10月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.2%上昇と前月から伸びが鈍化し市場予想も下回りました。変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数も前年同月比4.0%上昇とこちらも前月から伸びが鈍化し市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも不動産が5%を超える上昇となったほか、公益事業も4%近く上げました。また、一般消費財・サービスも3%を上回る上昇となり、素材も3%近く上げています。さらに資本財・サービスも2%高となり、金融と情報技術も2%近く上昇しました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が上げました。そのなかでも決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったホーム・デポ[HD]が5%を超える上昇となったほか、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]も4%以上上げています。また、ダウ[DOW]とゴールドマン・サックス[GS]、インテル[INTC]も3%を上回る上昇となっています。一方で5銘柄が下げ、トラベラーズ[TRV]が1%以上下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株が高く、テスラ[TSLA]が6%余り上げ、アマゾン・ドット・コム[AMZN]とフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]も2%を超える上昇となりました。半導体株も堅調でマイクロン・テクノロジー[MU]が3%以上上げ、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]とエヌビディア[NVDA]、クアルコム[QCOM]、テキサス・インストゥルメンツ[TXN]も2%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は10月の米消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化し市場予想を下回ったことから0.19%低い4.45%となりました。こうしたなかドル円は円高に振れ150円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて大きく上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の33,000円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。また、本日は寄り付き前の8時50分に7-9月期の国内総生産(GDP)が発表となります。4四半期ぶりのマイナス成長が見込まれていることから注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)