モトリーフール米国本社 – 2026年4月5日 投稿記事より

スペースXは現在、株式公開(IPO)に向けて準備を進めており、これは史上最大規模の新規上場になる可能性があります。起業家イーロン・マスク氏の宇宙開発企業であるスペースXは最近、マスク氏のAI開発企業xAIと合併したばかりですが、先週(3月30日週)に、内々にIPOの申請を行いました。報道によると、スペースXは最大2兆ドルの企業評価額を目指しているとのことです。2026年初めの合併時点で同社の評価額は1兆2,500億ドルでしたが、この数字は取締役会と投資銀行によって決定されたものでした。投資家が最後にスペースXの株式を購入した2025年末の評価額は8,000億ドルでした。

また、スペースXは最大750億ドルの資金調達を目指しているとのことで、これが実現すれば史上最大のIPOによる資金調達額となります。評価額が2兆ドルに達した場合、同社は世界でも最も価値の高い企業の一つになるでしょう。このIPOはマスク氏を含む投資家にとって明らかに大きな恩恵をもたらし、上場後のマスク氏個人の純資産は1兆ドルを超える可能性もあります。また、株式市場にはスペースXのIPOによって大きく株価を押し上げられる可能性のある企業があるため、ここではそのうちの2つを紹介します。

1.アルファベット[GOOGL]

アルファベットはグーグルの親会社として、また世界最大の広告会社として知られていますが、同時に多方面に資金を投じる投資会社でもあります。同社は20社を超える上場企業の株式を保有しているほか、ベンチャーキャピタル(VC)を運営する子会社グーグル・ベンチャーズを通じて、数多くのスタートアップ企業にも投資しています。

アルファベットは2015年、スペースXに9億ドルを投資して株式の約7%を取得し、現在もほぼ同程度の持分を保有しているとみられています。2025年第1四半期決算でアルファベットは80億ドルの未実現利益を計上しましたが、これはスペースXの企業価値の急騰によるものと広く信じられています。

アルファベットが現在もスペースXの持分を7%保有しているとすれば、企業価値が2兆ドルに達した場合、アルファベットの持分評価額は1,400億ドルに相当することになります。アルファベットほどの巨大企業にとっても、これは2025年の純利益を上回るほどの莫大な利益となります。

また、この持分は現在のアルファベットにとって特に重要な価値を持ちます。というのも、IPOによってスペースX株の流動性が高まるからです。アルファベットは2026年、AI分野の強化を目的として1,750億ドル前後の設備投資を計画しており、スペースXのIPOからの利益はその資金面を大きく支えることになるでしょう。

2.エヌビディア[NVDA]

エヌビディアはスペースXに投資していませんが、スペースXはエヌビディアの重要な顧客に位置付けられるため、この大型IPOから恩恵を受ける可能性があります。エヌビディアはAI向けグラフィック処理装置(GPU)市場で圧倒的な地位を占め、現在の時価総額は世界最大となっています。

マスク氏は、これまで幾度もエヌビディアと同社のジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)を称賛しており、最近では、スペースXと電気自動車大手のテスラ[TSLA]の両社は、今後も引き続きエヌビディア製半導体を大量購入すると述べています。

また、スペースXがxAIを買収したことにより、同社はこれまで以上にエヌビディア製半導体を購入することになるでしょう。xAIはソーシャルメディアの「X」やチャットボットの「Grok」を保有しています。買収の大きな理由の一つは、これらの事業を衛星インターネットサービスを手掛けるスターリンクの利益で支えることでした。

マスク氏はxAIを同業のオープンAIやアンソロピックと競わせたいと考えており、そのためにはエヌビディア製半導体への巨額の投資が不可欠となります。したがって、スペースXが調達する見込みの750億ドルのうち、相当な割合がエヌビディア製半導体の購入に充てられるとみてよいでしょう。

さらに長期的には、マスク氏は電力供給や冷却が容易だという理由で、データセンターを宇宙空間に設置する構想も描いています。一見すると突飛なアイデアのように聞こえますが、マスク氏はIPOで得た資金を使ってデータセンター衛星の打ち上げを目指しています。

この構想には懐疑的な見方もありますが、もし実現すればエヌビディア製半導体に対する需要はさらに高まる可能性があります。データセンター計画がどうなるにせよ、スペースXによる巨額の調達がエヌビディアに恩恵をもたらすでしょう。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Jeremy Bowmanはエヌビディアの株式を保有しています。モトリーフール米国本社は、アルファベット、エヌビディア、テスラの株式を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、情報開示方針を定めています。