BTCは先週も堅調でした。アルトコインも遅れて上昇を開始してきており、市況が好転している状況です。株式市場と比較すると、暗号資産市場はどれも良好な形状をしています。
欧米中央銀行の利上げはおそらくもう引上げはないだろうという印象が強く、2024年の利下げに向けて期待が高まっている状況です。これは暗号資産市場にとっては大いに追い風になります。
今週は、経済指標のなかでも、インフレ最重要指標とも言える米CPI(消費者物価指数)の発表があります。市場予想は前年同月比ベースでCPI+3.3%、CPIコア+4.1%。市場予想を下回れば、株式市場も暗号資産市場も上昇になると予想します。引き続き、押し目買いの場を探す展開になるのではないでしょうか。
BTC(ビットコイン)はMACDでダイバージェンス出現、SMA90の上昇を待つ状況
BTC/JPY日足分析チャートです。日足チャートのMACDではダイバージェンスが出現しており、テクニカル的には価格下落を示唆しています。日足レベルで買われすぎと見るべきでしょうか。このまま上昇を続ける場合は、現状価格で推移し、MACDの過熱感を冷ました方が安定的に再度、上昇相場に転じやすいと予想します。
SMA30は順調に上昇すると、10日後にサポートラインに到達する速度だと考えます。つまり、現状のサポートは540-542万円とSMA30が重なるタイミングに深い押し目があれば、絶好のチャンスとなるわけです。これを前提に4時間足でポイントを絞っていきます。
4時間足に時間軸を落とします。SMA90が今週半ばから後半にかけてサポートラインと重なるタイミングが見つかりました。日足のSMA30を待たずとも、4時間足のSMA90が買いの要素として、まず出てきそうです。
MACDはすでにデッドクロスしており、下げに転じています。この過熱感はすでに抜け始めており、現状価格から540万円台に下落すれば、自ずと解消されていくでしょう。これもテクニカル的には買いやすい材料の一つだと思います。
そのため、540万円台前半のサポートラインを意識しつつも、週半ばで4時間足の条件が1つ成立し、日足レベルでもそこから1週間遅れて成立するということを念頭に、トレードを組み立てていくとよいのではないでしょうか。今週は一歩引いて、少々深い押し目を待つ戦略でいきたいと思います。
ブラックロックがイーサリアムの現物ETF上場申請準備か?一部報道から上昇
続いて、ETH/JPY日足分析です。資産運用会社大手のブラックロックが、イーサリアムの現物ETFの上場申請としてSEC(米国証券取引委員会)に提出する書類の準備を進めているという一部の報道により、ETHが急騰しました。
ETHは28万円を超えて年初来高値を更新してきましたが、BTCに出遅れている分、遅れて大きく急騰している印象です。サポートラインまで戻れば、買いは当然入るでしょう。しかし、この報道で急騰した日足の大陽線の始値を考えた場合、28万円まで押し目を形成すると、始値まで下回ってしまうというのは現実的ではないかもしれません。この期待の買いを全否定するほどの押し目はこないと考えた方が無難ではないでしょうか。これらを条件に押し目は浅いものになると予想します。
4時間足チャートに時間軸を落とします。現状のサポート欄は30万5000円付近に引くことができます。SMA30が間もなく触れるレベルにまで上昇してきていることから、現状の水準で一度止まりやすいかもしれません。
SMA90の上昇角度を考慮すると、今週末あたりに30万円まで上昇してくるペースでしょうか。BTCの下落も考慮したうえで、押し目買いを狙っていくとよいでしょう。ETHのテクニカル的なポイントと時間タイミングに都合の良いポイントが、BTCとはずれているため、押し目買いは少し深く待った方がよいかもしれません。
ETHについては、目先、サポートラインとSMA90の上昇を待って30万円か、先に下落するようならば28−30万円ゾーンでしっかりと買いを待つというスタンスが良いのではないでしょうか。