今週(9月22日~9月28日)の相場動向
相場回顧 BTC:高金利の長期化懸念で軟調の中、ETF関連報道で急上昇
ビットコインは米連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派的な見通しを受けて米国株とともに軟調な推移が継続した。金利が高止まりするとの懸念から売りが強まりBTC=387万円(26,000ドル)付近まで価格を下げた。マイクロストラテジー[MSTR]がおよそ3ヶ月ぶりにビットコインを買い増したとの発表もあり、この水準では底堅く推移した。
しかし、暗号資産取引所HTX(旧:Huobi)のハッキング事件などもあり冴えない相場が続いた。米国議員がゲンスラー米証券取引委員会(SEC)委員長にビットコイン現物ETFの承認を求める書簡を提出した一方、アーク・インベストメント・マネジメントの申請分の審査が延期となり、ビットコイン現物ETFを巡って一喜一憂する場面もみられた。その後、ゲンスラーSEC委員長が下院公聴会で暗号資産への厳しい見方を再度示したが、上院公聴会での証言から大きなサプライズはなく、通過後には買いが強まった。
米国では新年度予算を巡る議会対立によって政府閉鎖のリスクが警戒されており、買いの勢いに乏しかったが、イーサリアム先物ETFの承認が報じられるとBTC=402万円(27,000ドル)付近まで急上昇した。
来週(9月29日~10月5日)の相場予想
BTCは米国政府閉鎖リスクに応じて左右される展開か
米国において今月中に予算が成立せず、2018年末以来となる政府機関の閉鎖が現実となった時には米国株とともに売りが強まることは考えられる。前回と同様にその期間が長期化した場合には米国経済に対するネガティブな影響も大きくなることが予想される。それによって米国の利上げ停止や利下げ開始の時期が前倒しになるとの見方もあるが、FRBはより困難な判断が求められるため、金融市場の不透明感が一層強まるだろう。逆に予算が成立して政府閉鎖リスクが後退した際には安心感から買い戻しが強まる可能性はある。
米国政府閉鎖の影響はビットコイン現物ETFの審査にも及ぶ。前回もSECの業務が制限されることによって同様の審査が先延ばしとなり、その失望もあって政府閉鎖期間中はビットコインの価格は軟調に推移した。今回もすでに一部の審査が延期されており、市場全体としてビットコイン現物ETFへの期待が後退することで売りが強まる恐れはあるだろう。一方、前回の反省から政府閉鎖前に審査の判断を急ぐとの見方もあり、承認の発表が出た時には相場はポジティブに反応するだろう。
また明るい材料に乏しい中でfriend.techというSNSアプリに関連した投機的な動きも見られており、その反動売りが強まることにも警戒したい。
直近、上値として前月の高値付近であるBTC=425万円(28,500ドル)、下値として今月の安値付近であるBTC=372万円(25,000ドル)を意識する。