米ドル/円 週間予想レンジ:147.00~150.00
メインストラテジー:レンジ取引
・じわじわと高値にトライ
・オーバーボート継続
・転換点の後ずれか
アナリシス:
米ドル/円相場は先週続伸し、週足では再度陽線を形成、事実上7月半ば以来の1本調子の上昇を果たした。148.46円までの上昇があっただけに、オーバーボート(買われ過ぎ)の極みであっても当面強気の基調を維持できることを示唆している。いずれ相場の転換点がくるだろうが、150円関門も見えてきたところで、タイミングの後ずれを覚悟しておきたい。
もっとも、7月半ば以来、日足では大型「上昇ウェッジ」に近いフォーメーションの形成も確認できるが、先週の日銀政策維持もあって今週はさらなる高値トライがあっても自然の成り行きだとみている。
一方で、当局による強い介入示唆があって、投機筋も躊躇せざるを得ない状態となっており、当面は高値圏にて拮抗し、レンジ変動の様子を深める、という基本的な見方は変わらない。米長期金利の高騰で米ドル買いが当面優勢になりやすく、円を積極的に買う向きは少ないだろう。
とはいえ、米ドル全体はかなり買われ過ぎの段階にあり、すでに終盤に差し掛かっている、という判断は維持したい。150円大台の打診があっても一時的なものであり、それ以上の維持があれば、当局の介入はもはや避けられないと推測され、投機筋の動向が気になるところだが、当局に対抗できるとは思わない。
円売り自体、中国の景気後退懸念や人民元安につられた側面も強かった。米ドル指数全体が頭打ちされない限り、米ドル/円が先に反応するわけにはいかないため、当面強含みの変動に留まるだろう。高値圏での保ち合いは、目先の「Ioi」のサインなどを重視すれば、一段と高値更新があると思われ、やはり一旦150円関門のトライがあっても許容範囲内の出来事と見なされるだろう。
言ってみれば、当局の介入自体は円安のスピードを牽制しやすいが、絶対水準として150円大台まで許容範囲内なのでは、という思惑がある。このような情勢において、今週介入のリスクがあっても、上値再更新を有力視している。
日銀のイールドカーブ・コントロール(YCC)の柔軟化自体は円売りの材料ではなかった。しかし、目先としては日本の事情が無視され、米ドルの頭打ちなしでは円が買われることはない、という原則を再度強調しておきたい。もちろん、介入があれば、相場の大波乱も覚悟しなければならない。
豪ドル/円 週間予想レンジ:95.00~97.00
メインストラテジー:押し目買い
・レンジの上放れ
・強気構造を確認
・高値トライの機運
アナリシス:
豪ドル/円相場は先週続伸し、一旦96円関門のブレイクをもって上放れの余地を示唆した。豪ドル/円は横這いのレンジを形成しながら、上値志向を保っているため、これから新たなレンジ変動を形成してくと推測される。
なにしろ、7月に96円関門前後にて抵抗を確認、また7月28日の「スパイクロー」のサインが示した究極な底打ちがあって、その後93円関門前後の支持を確認できたところで大きなレンジを形成してきた経緯があった。
その理由は、8月第2週の切り返しにより、陽線で大引けをしたことにある。同週の値幅こそ限定的だったものの、底割れ回避という意味では大きな存在感を発揮し、これからの均衡状態を作り出した。
さらに、8月最初の週は、一旦95.86円をトライしたものの、一転して大幅反落し、週足では「スパイクハイ」の大陰線を形成した。さらに、7月最終週の週足ではより値幅の大きい大陰線を形成したことから「インサイド」のサインが形成され、先週の高値トライは、同「インサイド」の上放れを示唆する値動きとして重視されたことから、強気変動はこれからだと思う。
6月高値の97.75円を起点とした反落は、あくまで調整子波の位置付けであると繰り返し強調してきた。日銀会合後の波乱は、一旦行き過ぎ(92円関門割れ)であった上、7月31日に一旦95.86円まで戻り、7月28日罫線の意味合いを証明したと解説していた。同日には典型的な「スパイクロー」のサインが点灯し、また大引け値をもって大幅切り返しを果たしたため、事実上の「フォールス・ブレイクアウト」、即ち安値トライ自体が「ダマシ」であったことを証明し、調整子波の完成が想定できたからこそ、先週の値動きまで繋がったわけだ。
そのため、理論上では、これから96円大台以上の維持で98~99円といった新たなレンジの上限をトライできるだろう。ただし、目先としては性急な上値追いを避けたいところ、じわじわ上値トライの市況を想定しておきたい。ロングスタンスの継続をおすすめしたい。