【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,443.19  ▼198.78 (9/6)
NASDAQ: 13,872.47  ▼148.48 (9/6)

1.概況

米国市場は長期金利の上昇や原油高によるインフレ懸念が重石となり続落となりました。30ドル安でスタートしたダウ平均は下げ幅を広げ昼過ぎに350ドル安まで下落した後持ち直しましたが、その後も引き続き軟調に推移すると結局198ドル安の34,443ドルで取引を終え続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も148ポイント安の13,872ポイントと3日続落となりました。

2.経済指標等

8月の米ISM非製造業景況感指数は54.5と前月から上昇し市場予想を上回りました。また、7月の米貿易収支の赤字額は650億ドルとなりました。さらに米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備理事会(FRB)は7月と8月の経済成長は小幅だったとしています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、情報技術が1%を超える下落となったほか、一般消費財・サービスも1%近く下げました。一方で公益事業とエネルギーの2業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中22銘柄が下げました。そのなかでもアップル[AAPL]が3%以上下げ下落率トップとなりました。中国当局が政府職員に対するアップル製品への規制を強めたと伝わったことや、アップルがEUの欧州委員会が巨大IT企業を規制するデジタル市場法(DMA)の対象となったことを嫌気した売りが出ました。また、ボーイング[BA]も2%余り下げたほか、アムジェン[AMGN]も2%近く下落しています。一方でセールスフォース[CRM]とダウ[DOW]が1%以上上げています。ダウ平均構成銘柄以外では長期金利の上昇を受けてハイテク株の一角が安く、画像処理半導体のエヌビディア[NVDA]が3%余り下落し、テスラ[TSLA]も2%近く下げました。さらにサウスウエスト航空[LUV]が売上高の見通しを引き下げたことなどで2%を上回る下落となっています。動画配信機器のロク[ROKU]は追加のリストラと業績予想の上方修正を発表したことで3%近く上げています。

5.為替・金利等

長期金利は非製造業の景況感の改善を受けて0.02%高い4.28%となりました。ドル円は147円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)