先週半ば、BTCは一時急騰したものの、わずか2日で元の値段に戻りました。BTC市場が大きく上昇したのは、暗号資産運用ファンドで世界最大手のグレイスケールとSECの訴訟案件で、SEC側が敗訴したことがきっかけです。一方、その2日後には、SEC側がブラックロックを始めとした大手7社のビットコイン現物ETFのリリース承認の判断を遅らせたことから、失望売りへとつながりました。
そのため、目先のチャート形状は「往って来い」相場となり、買い方がしっかりと捕まった形状になっています。金融市場では9月ということもあり、定番のリスクオフ相場にも警戒感が強まっており、暗号資産市場ももう少し下値を試す展開になるのではないかと予想します。
BTC(ビットコイン)はSMA200を下回って推移、380-382万円が戻りのポイントか
まずはBTC/JPY日足分析から見ていきましょう。本稿執筆現在(9月4日午前)でSMA200を割り込んできたのは5日目に突入しました。SMA200にしっかりサポートされていたのがようやく下抜けし、張り付いた状況です。レジスタンスとしてしばらく機能するのではないかと考えます。
MACDは再びデッドクロスする可能性がある状況です。明日以降、テクニカル的にも下落トレンド再開となるでしょうか?
今回の戻りも過去の本コラムで記載した通り、しっかりとSMA30と90に阻まれました。
私自身のターゲットは350万円のサポートラインを意識して、ショートトレードを継続しようと考えています。
続いてBTC/JPY4時間足チャートです。戻りを狙うならSMA30 またはSMA 90のレジスタンスをバックに売りの状況でしょうか?前述の通り、日足SMA200もこの水準に位置していることから、380-382万円は強気で売れる可能性が高そうだと考えます。
ほとんど現状価格からのエントリーになりますが、350万円サポートライン手前で利食いする前提で、今週も戻り売り戦略とします。
また利食いポイントとしては、もう一つ理由があり、ドル建てで今年の安値と高値を引いたフィボナッチリトレースメントでは50%押しとなります。
1米ドル145円で計算すると、ほぼぴったり350万円付近で推移することになり、ドル建てでも意識されやすいポイントです。
よって、仮に下落した場合も一直線で割り込むことは考えにくく、目先、この水準でサポートされる可能性が高いのではないでしょうか。私自身は、350万円からはまた買いに転じるスタンスで考えています。
ETH(イーサリアム)の下値は意外にも浅いか?目線を上方修正
続いてETH/JPY日足分析に移ります。意外にもBTCより下値が固そうに見えます。8月の急落時につけた安値からはまだまだ高い位置で推移しており、大きく下落する可能性は低いかもしれません。
BTCが350万円付近まで下落した場合も、ETHは前回安値付近の22万円あたりで止まる可能性が出てきました。現在のBTC価格が380万円から350万円に下落した場合、騰落率は7%程度ですが、23万8000円から7%下落しても22万円を少し割れる程度と考えられるためです。よって、ETHは22万円から買い向かうスタンスに少し上方修正したいと思います。
前回のコラムまではETHは20-22万円を意識していましたが、少し目線を上げていきます。ETHのショート戦略はなしとし、深い押し目買いからのエントリーをしっかり意識したいと思います。