今週(7月21日~7月27日)の相場動向
相場回顧 BTC:米FOMCを無難に通過するも軟調
ビットコインは、リップルが前週の高騰から利益確定売りによって下落する中、軟調に推移した。米証券取引委員会(SEC)が地方裁判所の判決に控訴する可能性を示唆したことも嫌気された。オープンAIのCEOであるサム・アルトマン氏が手掛けるワールドコインがメインネットを公開し、バイナンスなど主要取引所に上場した直後に高騰したが、たちまち急落して投機的な値動きとなった。その中、ビットコインはBTC=407万円(29,000ドル)付近まで価格を下げた。
注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、事前予想通り、0.25ポイントの追加利上げが決定されたが、イベント通過後には安心感からやや買いが優勢となった。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見では年内の追加利上げの可能性を残しつつも、目の前のデータを重視することを強調し、次回会合での追加利上げについてはどちらとも言及しなかった。
来週(7月28日~8月3日)の相場予想
BTCは循環物色後の売りに警戒、米雇用統計やコインベース決算にも注目
今週のFOMCでパウエルFRB議長が今後の追加利上げについてはデータ次第であることを強調し、次回会合にかけては主要経済指標の内容により注目が集まる。早速、来週は米7月雇用統計の発表を控えており、市場予想を上回り雇用の堅調さを示すことになれば追加利上げへの懸念によりリスク資産の売りが強まることは考えられる。米国株の連騰が続いているため、その反動で大きく下落し、ビットコインも連れ安する可能性はあるだろう。
2023年6月以降、ブラックロックのビットコイン現物ETF申請、リップル訴訟問題の進展といった大きなニュースによってビットコインは価格を伸ばしたが、その後は材料難となっている。そのような中、投資家はボラティリティを求めてアルトコインに傾いており、ワールドコインなど話題性ばかりが取り上げられているため、循環物色が一服した後の突発的な売りに警戒したい。
その一方、来週はマイクロストラテジー[MSTR]やコインべース[COIN]といった暗号資産関連企業の決算発表があり、両社の業績や見通し次第で相場が左右される面もあるだろう。
直近、上値として今月高値付近であるBTC=450万円(32,000ドル)、下値として6月上昇前のレンジ半ば付近であるBTC=393万円(28,000ドル)を意識する。