■FOMC、金融政策会合を控え様子見機運の強い週

米国ではインフレ指標の伸び鈍化を受け、利上げ停止観測が台頭してきた。来週に控えたFOMCでの利上げはほぼ市場に織り込まれたが、それが最後になるだろうとの見方が優勢になっている。米国金利の低下を追い風に米国株は好調だが、日本株はそれに追随できない。為替市場で急速にドル安円高が進んでいることが重石となっている。為替市場の動向は、基本的には上述した米国の利上げ打ち止め観測を背景としたドル安だが、月末の日銀金融政策決定会合での政策変更への思惑から円高になっている要素も一部あるようだ。今週は週初が祝日で休場のため4営業日しかない。来週にFOMC、金融政策会合と大きなイベントを控えて様子見機運の強い展開となりそうだ。

■海外企業の決算発表に注目

そうした中、注目は海外企業の決算発表だ。米国ではモルガン・スタンレー[MS]、バンク・オブ・アメリカ[BAC](18 日)、ゴールドマン・サッ クス[GS](19 日)などの金融機関の決算がある。先週末に発表された米銀3社の決算はまちまちだった。JPモルガン・チェース[JPM]が発表した4~6月期決算は純利益が前年同期比67%増の144億ドルと四半期ベースで過去最高益となった。ウェルズ・ファーゴ[WFC]も4~6月期の純利益が57%増だった。一方、シティグループ[C]は純利益が前年同期比36%減だった。投資銀行や株式・債券のトレーディングの不振が金利収入の足を引っ張った。米銀の決算の着地はトレーディングの巧拙でぶれやすい。今週の金融各社の決算も蓋を開けるまで分からない。

■吟味したい日本の3月決算企業発表

19日にはIBM[IBM]、ネットフリックス[NFLX]、テスラ[TSLA]の決算発表もある。米国以外では、19日にASML、20日にTSMCといった半導体企業の決算発表があり、これらは日本の半導体関連株への影響も大きく注視したい。そしていよいよ国内でも20日のディスコ(6146)とニデック(6594)の4-6月期決算発表を皮切りに3月決算企業の決算発表が始まる。先行した小売りなど2・8月決算企業の業績は悪くなかった。3月決算企業の業績もその流れをフォローすると思われるが、まずは序盤の決算の中身をよく吟味したい。

予想レンジは3万2000円~3万3000円とする。