日米欧の経済指標発表や要人発言に注目

今週は月初週に当たり、米国で重要な経済指標の発表が相次ぐ。4日にISM 製造業景気指数、5日にADP雇用レポート、6日にISMサービス業景気指数と週次の新規失業保険申請件数、そして7日に雇用統計の発表がある。

経済指標ではないが、4日にベスト・バイ[BBY]、ターゲット[TGT]、ノードストロム[JWN]、5日にフット・ロッカー[FL]、アバクロンビーアンドフィッチ[ANF]などの小売企業の決算発表がある。米国景気の先行きに不安が台頭してきているだけに、これらの動向にも注視したい。

欧州では6日に、ECB(欧州中央銀行)が政策金利を発表する。ECBは先週の27日に、4会合連続で利下げを決めた1月理事会の議事要旨を公表したが、かなりハト派的内容だったことを踏まえると、今週6日の理事会でも追加利下げに動く公算が高い。利下げとなれば5会合連続。0.25%の利下げなら利下げ幅は累計で1.5%に達する。そろそろ打ち止め感も出てくるころだろう。ユーロの底打ち~反転で円安になる流れもあるかもしれない。まだ早いかもしれないが、そのシナリオは頭の片隅に入れておきたい。

国内では5日に日銀の植田総裁、内田副総裁の発言機会がある。先週は植田総裁が国内金利の急激な上昇に対しては抑制する姿勢を示したことや、28日に発表された2月の東京都区部のCPI(消費者物価指数)が市場予想を下回ったことなどから、国内長期金利は年初から続いた上昇基調が一服した。日銀の総裁・副総裁の発言がこの流れを変化させるか注目が集まる。

トランプ大統領の言動には警戒

これらの経済スケジュール以外で最も重要なのはトランプ大統領の言動だ。3月4日からのカナダ・メキシコに対する25%の関税、中国に対する10%の追加関税が実際に発動された後、さらに何を出してくるのか、そしてロシア・ウクライナ停戦の行方はどうなるかなど、トランプ氏に振り回される展開がまだまだ続くだろう。

先週、下放れた格好の日本株だが、週初は買戻しから始まるだろう。しかし、上述の通り、トランプ政策の不透明さと重要な経済指標の発表を控えて、買いは長続きせず、すぐに上値の重い展開となるだろう。そのあとは様子見で一進一退の小動きとなりそうだ。

予想レンジは3万7000円~3万8000円とする。