日経平均は年初来高値を更新も、騰落レシオは119.53%の上昇

週明けの東京株式市場は大幅反発となり、日経平均は年初来高値を更新しました。前回のコラム「日経平均、25日移動平均線を下値で意識できるか?」で解説したように、34,400円処までの上値余地が生じたとみています。

ただ、プライム市場の騰落レシオ(25日)が7月3日現在で119.53%と、6月以降で最も上昇した115.53%を上回ってきました。この騰落レシオは、市場内での値上がり銘柄数と値下がり銘柄数との比率で市場の活況度合い(相場人気)を捉えようとするものです。算出方法は、一定期間(一般的には25日)の値上がり銘柄数の累計を、値下がり銘柄数の累計で割ったものをパーセント表示したものです。

値上がりと値下がりが同じの場合は100%。100%より大きければ値上がりの方が多く、100%より小さければ値下がりの方が多いことになります。一般的には120%以上になると「買われ過ぎ」の状態を意味し、市場全体が楽観ムードに傾斜している状況です。

一方で、70%以下となれば「売られ過ぎ」で、市場全体が悲観ムードに傾斜している状況です。「買われ過ぎ」を示唆しても、株価がすぐさま反落調整となるわけではありませんが、実際、プライム市場指数の2022年6月安値以降、短期的な高値をつける際の騰落レシオは必ず120%以上の水準まで上昇していました。

今週、騰落レシオは130%の可能性

しかし、6月に年初来高値をつける前後でも120%に届くことはありませんでした。ということは、その時点で株価に上値余地があったと判断することもできたわけです。

一方、今回の高値更新の場面では120%を超えてくる可能性がでてきました。もし、仮に7月4日以降、値上がり銘柄と値下がり銘柄数のきっ抗が続いた場合でも、今週にも130%程度に上昇することが予想されます。つまり、日経平均が高値を更新したからといって楽観は禁物で、上昇は短期的にとどまることも想定しておく必要があるでしょう。

6月のプライム市場の売買代金は3兆円を下回る日はありませんでした。7月は「夏枯れ」時期に入ることで、売買代金が減少することが予想されます。