東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は大幅反発となりました。328円高の33,517円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ安値に上げ幅を広げると後場に入り13時50分過ぎに573円高の33,762円まで上昇しました。その後、日経平均は伸び悩みました。しかし、大きく押すことなく高値圏で推移すると結局564円高の33,753円で取引を終え年初来高値を更新しています。こうしたなか新興株も堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

ディスコ(6146)が一時4.9%高となり上場来高値を更新しました。省エネ性能が高い半導体材料の「窒化ガリウム(GaN)」を切断する新装置を開発したと伝わったことを材料視した買いが入りました。また、先週末の米国市場で半導体株が買われた流れを受けて他の半導体製造装置関連銘柄も高く、東京エレクトロン(8035)が一時4.8%高となり年初来高値を更新したほか、SCREENホールディングス(7735)が一時3.0%高、アドバンテスト(6857)も5.9%高となり揃って上場来高値を更新しています。アダストリア(2685)も一時5.7%高となり年初来高値を更新しました。新型コロナウイルス禍からの経済再開などを追い風に主力ブランドの販売が回復したことで第1四半期の営業利益が前年同期比で37.2%増となったことから買いが優勢となりました。同じく第1四半期決算を発表したダイセキ環境ソリューション(1712)も一時28.0%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。主要事業である土壌処理事業でコンサル営業による案件が好調に推移していることなどで通期の業績予想を上方修正したことから買いを集めました。ダイキン工業(6367)も一時7.1%高となり年初来高値を更新しました。米バイデン政権がヒートポンプ空調の国内生産と普及を促進する政策を相次ぎ導入したことで需要が急増するなか、南部テキサス州の工場で生産を強化する方針だと伝わったことから大幅高となりました。

さらに6月の日銀短観で大企業・全産業の2023年度の設備投資計画が前年度比13.4%増となったことから設備投資関連銘柄が高く、ファナック(6954)が一時2.7%高、キーエンス(6861)が一時2.6%高、オムロン(6645)も一時2.5%高となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は564円高となりました。5月の米個人消費支出(PCE)物価指数の伸びが鈍化したことでインフレへの警戒感が後退し先週末の米国市場が上昇となったことから買いが優勢となりました。また、寄り付き前の8時50分に発表となった6月の日銀短観で大企業・製造業の業況判断指数(DI)がプラス5となり7四半期ぶりに改善したこともあって大きく上げ幅を広げ、6月16日に付けたバブル崩壊後の高値(33,706円)を上回りました。そのためこのところ上値の重さが目立った日経平均ですが、上昇の勢いが戻ってきたといえそうで節目の34,000円回復への期待も高まりそうです。なお、日本時間の23時には6月の米ISM製造業景況感指数が発表される予定です。さらに今晩の米国市場は独立記念日の祝日の前日で短縮取引となります。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)