今週は主要な経済指標の発表もなく、先週に日米欧中央銀行の金融政策決定会合という大きなイベントを通過、日本の衆院解散見送りという材料まで出たあとだけに、さすがに手がかり難で動きにくい。普通に考えれば上げ相場も一服となり、動きが止まれば利益確定売りに押されて反落と考えるのが筋だろう。

しかし、押し目らしい押し目はないのではないか。まず海外投資家の買いが本格化してきている。東京証券取引所が先週15日に発表した6月第1週の投資部門別売買動向によると、海外勢は11週連続の買い越しとなった。買越額は9854億円と4月第2週以来の高水準となり、非常に腰の入った買いである。こうなると売り方はたまらない。売りに回っている個人投資家の損失覚悟の手仕舞いが出れば、「踏み上げ相場」となって一段高 ‐ と、まではいかなくても、深押しが入りにくい状況であるのは確かだろう。

今週の数少ないイベントのひとつがパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言だ。21日に下院金融委員会、22日には上院銀行委での証言が予定されているが、FOMC直後であり、パウエル議長の発言に新味は乏しく、相場を動かすまでには至らないと思う。

もうひとつの材料は、22日の英国・金融政策委員会と同日のスイス中央銀行の政策金利発表だ。英国では賃上げの加速による物価上昇圧力が根強く、イングランド銀行の5回連続利上げが見込まれている。また、ECBによる追加利上げを受けてユーロに連動するスイスフランは底堅い動きを維持している。スイス中央銀行も22日に追加利上げを行うと予想されている。そうなると、円はますます対欧州通貨で売られ、円安が加速するだろう。これも日本株の支援材料となる。

結局、今週の日本株相場は高値圏でのもみ合いとなりそうだ。

予想レンジは3万3400円~3万4000円とする。