東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は4日続伸となりました。229円安の31,988円で寄り付いた日経平均は直後に283円安の31,933円まで下落しました。しかし、朝方の売り一巡後に持ち直すと10時過ぎにプラスに転じました。後場に入り上げ幅を広げ14時50分過ぎに317円高の32,534円まで上昇した日経平均は結局289円高の32,506円で取引を終え、連日でバブル崩壊後の高値を更新しています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
ローム(6963)が一時4.2%高となり年初来高値を更新しました。約31年ぶりとなる株式分割を発表したことから投資家層の拡大を期待した買いが入りました。第3四半期決算を発表したオフィス家具やコンピューター商社大手の内田洋行(8057)も一時12.4%高となり年初来高値を更新しました。企業向けソフトのライセンスやオフィス家具の販売が順調に推移しているうえ、教育機関向けのICT事業での受注も当初想定を上回っていることなどで68億円とみていた2023年7月期の営業利益の見通しを77億円に上方修正したことから買いを集めました。平田機工(6258)も一時10.5%高となり年初来高値を更新しました。80億円を超える電気自動車(EV)関連設備の大型案件を受注したと発表したことを好感した買いが入りました。
また、目標株価の引き上げを受けて森永製菓(2201)や味の素(2802)が高く、森永製菓が一時3.6%高となったほか、味の素も一時4.2%高となり年初来高値を更新しています。さらに東証スタンダード市場では稲葉製作所(3421)が一時14.7%高となり年初来高値を更新しました。販売価格の引き上げに加え、生産・物流コストの削減効果もあり2023年7月期の業績予想を引き上げたことから大幅高となりました。
一方で投資判断や目標株価の引き下げを受けて売られたのがメニコン(7780)や共立メンテナンス(9616)で、メニコンが投資判断と目標株価の引き下げを受けて一時5.1%安となり、共立メンテナンスも目標株価の引き下げを受けて一時3.1%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は289円高となりました。先週末に大幅高となった反動で昨日の米国市場が反落となったことから売りが先行し、一時は280円以上下げ節目の32,000円を割り込む場面もありました。しかし、押し目買いが入り32,000円を下回ったところで下げ渋ると買いが優勢となり、上げ幅を広げ節目の32,500円を小幅に上回って取引を終えました。そのため押し目買い意欲の強さや地合いの堅調さが改めて意識されそうですが、この4日間で1,600円以上も上げていることから高値警戒感も出てきそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)