ここまで異例の強さで上昇してきた日本株だが、今週はさすがに上昇一服となろう。テクニカル的な過熱感も強まっており、少なくとも日経平均はスピード調整となるだろう。「少なくとも日経平均は」と書いた意味は、TOPIXは日経平均ほど過熱していないからだ。25日線乖離率も5%未満である。先週末19日の東証プライムの値上がり銘柄数は812、値下がり銘柄数は945で値下がり銘柄のほうが多い。すでに全面高という様相ではなくなっている。ただし、スピード調整となっても日経平均は3万円の大台を維持するだろう。3万円割れの水準ではこの相場に乗り遅れた投資家からの押し目買いが入りそうだ。
改めて上場企業の好業績を確認できたことも相場の堅調さを支えるだろう。最終的に決算を締めてみれば日経平均の今期予想EPSは増益で着地した。その結果、日経平均がバブル後高値更新の水準まで買われても、予想PERは14.40倍と上昇していない。依然として、過去10年平均の15倍を下回る水準にあり、割高感はない。こうしたことから調整があってもあくまでテクニカル的な過熱感を冷ますためのもので、深押しはないだろう。
今週の主な経済指標は、22日に国内の機械受注、23日に米国の5月製造業PMIの発表があり注目される。24日のFOMC議事録で今後の利上げに関する有力な手掛かりが得られるとは思えないので今回の重要度は低いだろう。26日に発表される米国のPCEコアデフレーターは6月のFOMCの重要な指標となるので注視したい。
24日にエヌビディアの決算発表がある。足元では半導体関連のポジティブなニュースで半導体株の騰勢が強まっている時期だけに非常に注目度が高い。
予想レンジは3万円ちょうど~3万1000円とする。