東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は円安を受けて3日続伸となりました。158円高の29,547円で寄り付いた日経平均は取引開始から40分弱で241円高の29,629円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと10時前に87円高の29,475円まで上げ幅を縮め118円高の29,507円で前場を終えました。
160円高の29,548円でスタートした後場の日経平均は再び上げ幅を広げると結局238円高の29,626円と後場の高値で取引を終え、先週末に続いて年初来高値を更新しています。こうしたなか新興株も堅調で東証マザーズ指数が小幅に上昇となっています。
2.個別銘柄等
資生堂(4911)が5.2%高となりました。脱マスクの傾向が続くなか国内で高価格帯を中心に化粧品が伸びたことなどから第1四半期のコア営業利益が前年同期比で2.9倍となったことで大幅高となりました。
本決算を発表した大阪チタニウムテクノロジーズ(5726)も一時18.4%上昇しストップ高となる場面がありました。新型コロナウイルスによる活動制限が緩和されるなか引き続き航空機向けのチタンが好調に推移することなどから2024年3月期の営業利益が前期比で36%増となる見通しを示したことで買いを集めました。
同じく本決算を発表したゼンショーホールディングス(7550)も一時15.6%高となり上場来高値を更新しました。2023年3月期の営業利益が11年ぶりに最高益を更新したほか、2024年3月期の営業利益も牛丼チェーンなどの既存店の売り上げが堅調に伸びることなどから前期比で84.5%増となる見通しを示したことで上げ幅を大きく広げました。
一方で本決算を発表したオリンパス(7733)やサンリオ(8136)が大幅安となりました。オリンパスは内視鏡などで追加試験の費用などがかかることなどで2024年3月期の営業利益が前期比で12.7%減となる見通しを示したことから一時10.6%安となり年初来安値を更新しました。サンリオもハローキティが50周年を迎えるのにあわせて広告宣伝費などを増やすことなどで2024年3月期の営業利益が前期比で15.5%減となる見通しを示したことから一時9.1%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は238円高となりました。先週末の米国市場は米消費者の景況感の悪化を受けて小幅に下落となりました。しかし、136円前半まで円安が進んだことで買いが優勢となり、節目の29,500円を超えて上げ幅を広げ29,600円台を付け年初来高値を更新しました。
そのため先高期待が一段と高まりますが、本日で決算発表がほぼ一巡となるなかで利益確定の売りをこなしてさらに水準を切り上げることができるかが今週はポイントとなりそうです。
なお、本日も引け後にはリクルートホールディングス(6098)や京セラ(6971)、スズキ(7269)、3メガバンクなどが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には5月のニューヨーク連銀製造業景況指数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)