【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,561.81 ▼56.88 (5/9)
NASDAQ: 12,179.55 ▼77.37 (5/9)
1.概況
米国市場は翌日に米消費者物価指数(CPI)の発表を控え様子見となるなか米政府の債務上限問題への警戒感が重石となり小幅に下落となりました。28ドル安でスタートしたダウ平均は直後に108ドル安まで下落した後持ち直すとプラスに転じました。しかし、37ドル高で伸び悩むと再びマイナスとなりました。その後ダウ平均はしばらく小幅安で推移しましたが、取引終盤にやや持ち直すと前日終値を挟んで小幅にもみ合う展開となり結局56ドル安の33,561ドルで取引を終え続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も77ポイント安の12,179ポイントとなり3日ぶりに反落となりました。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち素材や情報技術、ヘルスケアなどの8業種が下げました。一方で資本財・サービスとエネルギー、一般消費財・サービスの3業種が上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではインテル(INTC)が2%を超える下落となったほか、スリーエム(MMM)とナイキ(NKE)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)も1%以上下げました。一方で欧州格安航空会社大手のライアンエアーから小型機737MAXを最大300機受注したと発表したボーイング(BA)が2%以上上げ、セールスフォース(CRM)も1%を上回る上昇となりました。ダウ平均構成銘柄以外では、バイオ製薬のノババックス(NVAX)が開発中の複数のワクチンの治験で良好な結果を得たと発表したことで急伸し28%近く上げています。決算を発表した通信系半導体のスカイワークス・ソリューションズ(SWKS)は4-6月期の業績見通しが市場予想を下回ったことで5%以上下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い3.52%となりました。ドル円は135円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場が小幅な下げに止まったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか米CPIの発表を今晩に控えていることから様子見ムードの強い一日となりそうです。また、本日は取引時間中の13時55分にトヨタ(7203)が決算を発表する予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)