モトリーフール米国本社 – 2023年2月26日 投稿記事より

主なポイント

・AIを搭載したチャットボットの登場が話題となっているが、最盛期はまだこれから
・AIの熱狂に乗じた投資機会のヒントとして、AIを動かしている半導体チップの多くはエヌビディア製である
・エヌビディアの四半期決算は、最悪期を脱したことを示唆している

ここ数ヶ月でチャットボットが盛り上がりを見せる中、もっと深いところを見ることが重要

人工知能(AI)を搭載したチャットボットのChatGPTが公開されてから3ヶ月が経ちました。それ以来、ChatGPTはソーシャルメディアなどを通じて徐々に広がり、多くの人々の関心を集めています。マイクロソフト(MSFT)は2023年1月下旬、ChatGPTとその生みの親であるオープンAIに対し、今後数年で100億ドルを投資し、同社との提携を拡大することを明らかにしました。マイクロソフトのクラウドサービス「アジュール」はChatGPTの独占プロバイダーとなり、さらに将来的には、同社の検索エンジンであるBingにChatGPTの技術を組み込む計画です。

これに負けじと、アルファベット(GOOGL)もすぐに、自社の対話型チャットボット「Bard」を発表しました。残念ながら、Bardの滑り出しは好調とは言えません。デモンストレーションで不正確な回答をするなど、お披露目の場でいくつかの失態を犯してしまったのです。

その後、どちらのチャットボットも間違った答えを自信満々に出したという話が浮上し、投資家は、来たるAI革命にどう投資したらいいのか、頭を悩ませています。しかし、その答えは、もう見えているかもしれません。

AIを動かしているエヌビディア

半導体大手のエヌビディアが2月22日の取引終了後に2023年1月期第4四半期の決算を発表すると、市場の注目は再び、これらのAIシステムを動かすのに使われる画像処理装置(GPU)に集まりました。

エヌビディアの第4四半期売上高は前年同期比21%減の60億5000万ドルとなり、ゲーム部門の売上高が同46%減となったことが大きく響きました。歴史的高水準にあるインフレと金利上昇に直面し、ゲームプレーヤーは手持ちのプロセッサーをもう少し長く使うことにしたようです。また、クラウドコンピューティング、データセンター、AI向け用途をカバーするデータセンター部門の売上高は、同11%増でした。この結果、1株当たり利益(EPS)は0.88ドルとなりました。

なお、アナリストのコンセンサス予想では、売上高は60億ドル、EPSは0.81ドルだったため、どちらも予想を上回ったことになります。

しかし、同社のジェンスン・ファンCEOは、今回の四半期決算が、今後の爆発的成長に向けた助走であるとの見方を示しました。同CEOは、「AIは転換期を迎えており、今後はあらゆる業界で幅広く導入されるようになるでしょう。スタートアップ企業から大企業まで、生成AIの機能と汎用性に対する関心は加速しています」と述べ、ChatGPTやBardをはじめとする生成AIが有望であることを示唆しました。

エヌビディアは決算発表と同時に、最近の生成AIを取り巻く熱狂を利用した一連の新サービスを発表しました。同社の発表によると、「大手クラウドサービスプロバイダーとの広範な提携を通じて、サービスとしてのAI(AI-as-a-service)を提供する」ことにより、企業はエヌビディアの「世界をリードするAIプラットフォーム」に直接アクセスできるようになるとのことです。

顧客はブラウザーから、エヌビディアのDGX AIスーパーコンピューター、ソフトウェア・ライブラリ、または学習済みのAIモデルといった、あらゆるレベルのAIにクラウドサービスとして、アクセスすることができるようになります。これは、マイクロソフトのアジュール、グーグル・クラウド、オラクル・クラウドでは既に利用可能で、他社も追随するとみられます。

エヌビディアは他にも、今後の展開について次のように示唆しました。

「我々は、お客様が生成AIや大規模言語モデルのブレークスルーを活用できるよう支援します。H100、Transformer Engine、Quantum-2ネットワークファブリックを搭載した当社の新型AIスーパーコンピューターは、現在フル稼働しています。」

これは、重要なポイントを示しています。つまり、どのチャットボットがAIの覇権争いに勝つとしても、最終的な勝者はエヌビディアだということです。なぜなら、AIをめぐる熱狂は、それを可能にするGPUの需要増加を意味するからです。

業績は底打ちしたのか

ここ数年、エヌビディアの投資家は、気分が悪くなるほどの乱高下に耐えてきました。ゲーム分野での優位性に加え、AI、クラウドコンピューティング、データセンター分野への抜け目のない参入により、株価は2021年11月までの10年間で8,800%超上昇しました。しかしその後、マクロ経済の逆風に直面し、景気後退による影響が懸念され、株価は高値から66%下落しました。

同社をめぐる最悪期は脱したとみられます。企業側ガイダンスによると、2024年度第1四半期の売上高は前年同期比21%減の65億ドルとなる見通しですが、これは前期比では7%増となります。ゲーム用プロセッサーの需要回復が遅れていることも、業績回復を後押しするとみられます。ファンCEOは、「ゲーム分野はパンデミック後の低迷から回復しつつあり、プレーヤーは、AIニューラルレンダリングを搭載したAdaアーキテクチャの新型GPUを積極的に採用しています」と語りました。

エヌビディアの回復が時間の問題であることは既に明らかです。株価は年初来で早くも42%上昇しており、予想を上回る決算を受けてさらに上昇するはずです。長期的視点で見れば、エヌビディア株は買い時かもしれません。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。アルファベットの幹部であるSuzanne Freyは、モトリーフール米国本社の取締役会メンバーです。元記事の筆者Danny Venaは、アルファベット、マイクロソフト、エヌビディアの株式を保有しています。モトリーフール米国本社はアルファベット、マイクロソフト、エヌビディアの株式を保有し、推奨しています。モトリーフールは情報開示方針を定めています。