東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて続伸となりました。326円高の26,880円で寄り付いた日経平均は直後に332円高の26,885円を付けた後9時20分前に235円高の26,788円まで上げ幅を縮めましたが、やや戻し26,800円台で推移すると299円高の26,852円で前場を終えました。309円高の26,862円でスタートした後場の日経平均は14時40分過ぎに384円高の26,938円まで上昇し本日の高値を付けると結局352円高の26,906円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

先週末の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3%余り上昇したことで日本市場でも半導体関連株が高く、なかでもレーザーテック(6920)が一時4.3%高となり、東京エレクトロン(8035)も一時3.0%高となりました。また、政府が保育所や幼稚園に通わない0-5歳の未就園児を週1-2日ほど継続して預かる事業への支援を2023年度に始めると伝わったことで保育施設運営のテノ.ホールディングス(7037)やJPホールディングス(2749)、グローバルキッズCOMPANY(6189)などが買われました。

テノ.ホールディングスが一時16.1%上昇しストップ高となったほか、JPホールディングスが一時4.5%高、グローバルキッズCOMPANYも一時12.0%高となり、JPホールディングスは昨年来高値を更新しています。ネクソン(3659)も一時3.4%高となりました。暗号資産のビットコインが上昇し22日に2022年8月以来の水準まで戻したことでビットコインを保有するネクソンに物色の矛先が向かいました。

一方で第3四半期決算を発表した東京製鉄(5423)が一時3.8%安となりました。中国のゼロコロナ政策の影響で海外の鋼材市況が悪化し、輸出向けの販売を一部で手控えたため通期の売上高の見通しを3750億円から3660億円に引き下げたことで下げ幅を広げる場面がありました。

しかし、押し目買いが入り朝方の売り一巡後に持ち直すとプラスに転じ上げ幅を広げ3.9%高で取引を終えています。リソー教育(4714)も一時5.5%安となりました。社員や講師の給与でベースアップを実施したことによる人件費の増加や、光熱費の高騰などもあり通期の営業利益の見通しを下方修正したことで一転して減益予想となったことで売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は352円高となりました。決算を発表した米ネットフリックス(NFLX)の急伸がハイテク株全般への買いに波及し先週末の米国市場が大幅反発となったことで買いが優勢となりました。25日移動平均線や節目の26,500円を回復した翌営業日に大幅高となったことで節目の27,000円への回復への期待も高まりそうですが、決算発表が明日以降に徐々に本格化するなかでどこまで水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の24日午前0時には12月の米景気先行指標総合指数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)