東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安と円高を受けて3日ぶりに反落となりました。250円安の26,541円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分余りで334円安の26,456円まで下落した後9時20分前に198円安の26,592円まで持ち直しましたが、上値は重く再び下げ幅を広げると322円安の26,468円で前場を終えました。353円安の26,437円でスタートした後場の日経平均は13時20分前に422円安の26,368円まで下落し本日の安値を付けた後やや戻したものの安値圏で推移すると結局385円安の26,405円で取引を終えています。一方で新興株は堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

百貨店株が買われました。日本政府観光局(JNTO)が発表した2022年12月の訪日外国人客数が137万人となり2020年2月以来の100万人を超えとなったことからインバウンド需要の回復を期待した買いが入りました。三越伊勢丹ホールディングス(3099)が一時3.2%高、高島屋(8233)が一時3.5%高、J.フロント リテイリング(3086)が一時4.0%高、松屋(8237)が一時6.0%高、エイチ・ツー・オー リテイリング(8242)も一時4.3%高となりました。

また、政府が少子化に歯止めをかけるために新設した関係府省会議の初会合を開いたことで子育て関連銘柄に物色の矛先が向かいました。テノ.ホールディングス(7037)が一時17.0%上昇しストップ高となったほか、JPホールディングス(2749)が6.5%高、グローバルキッズCOMPANY(6189)も5.6%高となり、JPホールディングスは昨年来高値を更新しました。東証グロース市場でもSERIOホールディングス(6567)が15.3%上昇しストップ高となり、カラダノート(4014)も5.2%高となりました。

一方で円安により昨日に買われた自動車株が一転して円高となったことで軟調でした。半導体不足から2月の世界生産台数が前年同月の実績をやや上回る75万台程度に止まると発表したトヨタ(7203)が一時3.3%安となったうえ、日産(7201)が一時3.6%安、ホンダ(7267)が一時2.6%安、SUBARU(7270)が一時4.4%安、三菱自動車工業(7211)が一時6.1%安、マツダ(7261)も5.1%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は385円安となりました。米小売売上高や米鉱工業生産指数などの冴えない経済指標を受けて景気減速懸念が意識され昨日の米国市場が大幅下落となったことや、一時131円台半ばまで円安が進んだドル円が円高に振れ日銀の金融政策決定会合の結果発表前の水準に戻ってしまったことから売りが優勢となりました。昨日と一昨日の2日間で1,000円近くも上げていたことからすると一旦調整するのも当然だといえますが、下げ幅を広げ昨日に回復した25日移動平均線(26,554円)や節目の26,500円を割り込んだことで上値の重さがやや意識されそうです。

なお、日本時間の22時30分には米新規失業保険申請件数や1月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、12月の米住宅着工件数などが発表される予定です。また、19日の米国ではネットフリックス(NFLX)やプロクター・アンド・ギャンブル(PG)などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)