日本がシルバーウィーク後半の3連休中に、米国市場ではダウ平均が大幅続落で3万ドルの節目を割り込み、3ヶ月ぶりに年初来安値を更新した。シカゴの日経平均先物(12月限)は2万6400円台まで下げている。配当落ちを考えても週明けの現物でも2万6000円台半ばまで売られることが想定される。その後も軟調地合い継続なら配当落ちで2万6000円台前半まで下げるだろう。
ポイントは、売り一巡後、どれだけ粘りを見せられるかである。3連休前の22日、東京市場では前日の米国株の大幅安に連れ安し、日経平均が一時、節目の2万7000円を2ヶ月ぶりに下回ったが、その後は下げ渋って結局159円安で終えた。米国景気の減速は無論、日本企業の業績に悪影響があるが、それでも全体観としては米国の状況と日本は真逆だから米国株が下げたとしても、額面通り日本株がそっくり連れ安するのは間尺に合わない。年初から見れば日本株は圧倒的に欧米株をアウトパフォームしている(ストラテジーレポート「日本株の比較優位」参照)。
連休中にダウ平均が年初来安値を更新したと言っても、新たな悪材料が出たわけではない。日本株にとっても「新たな悪材料」となるのは「米国株が下げた」ということだけだ。であれば、冷静な投資家はこの押し目を買ってくるだろう。
今週は9/28(水)の権利付最終日、9/29(木)権利落ち日前後の需給絡みの要因がいろいろ発生する。最後の駆け込み権利取りの動きや機関投資家による配当再投資の動きなどだ。反対に日経平均採用銘柄の入れ替えに伴い、売り要因も発生する。30日には月末、四半期末、上期末に絡むポジション調整もあるだろう。
月内最終週で重要指標の発表も多い。米国ではコンファレンスボード消費者信頼感指数や4-6月期GDP確定値(29日)、個人所得・個人支出、PCEコアデフレーター、9月シカゴPMI、9月ミシガン大学消費者信頼感指数確定値(30日)などが注目だ。米国以外では26日に独9月Ifo景況感指数、30日に日本の失業率・有効求人倍率、鉱工業生産、中国では製造業/非製造業PMIと財新製造業PMIの発表がある。
決算では、米国でナイキ(NKE)、マイクロン・テクノロジー(MU)の決算発表が29日、日本では週末のニトリHD(9843)の発表を皮切りに、小売株の決算発表が始まる。欧米の利上げや景気鈍化でグローバル企業は買いにくいだけに、経済再開期待のある内需株が物色されている。小売りの決算はそれを加速させるきっかけになるか注目したい。