マスターカード(MA)決算:一株利益は2.76ドルで市場予想を上回る
マスターカードは、世界第2位の決済会社である。2021年度のカード購入総決済額は6兆ドルに上る。世界200カ国で150を超える通貨による決済処理を行っている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★収入・・・前年同期比24%増の51.36億ドル(市場予想は49.20億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・2.76ドル(市場予想は2.20ドル)
1株利益、売上高とも予想を上回った。高インフレや新型コロナウイルス新変異株を巡る懸念による消費への影響は見られず、ペントアップデマンド(繰越需要)を追い風に旅行への支出が堅調だった。
今後の株価見通し
ウクライナへの侵攻を続けるロシアでの業務停止によって、2022-24年の3年間の業績目標に影響が及ぶリスクがあると警告した。ロシア事業は21年純収入の約4%だが、欧州の受ける悪影響が懸念されている。欧州の景気悪化は、米国企業への外需低下につながる。
同業のビザとともに、好決算で株価は上昇したが、今後の業況に注意を払いたい。株価は400ドルが抵抗線となっており、これを上抜けた段階で投資タイミングを図りたい。
マクドナルド(MCD)決算:一株利益は2.28ドルで市場予想を上回る
マクドナルドは、世界最大のレストランのオーナーであり運営会社である。過去12か月間のシステム全体の売上高(2021年度末時点)は、1,120億ドル、119カ国でおよそ4万店舗のレストランを展開している。低価格設定のファストフードメニューでレストラン業界に革命を起こし、また、独立系レストランフランチャイジーとの提携を通じて優れた実績を築きあげた。
マクドナルドはフランチャイズ・モデルの先駆者であり、独立したレストランフランチャイジーとの提携を通じて世界中で強固な基盤を築いている。売上高のおよそ60%を、フランチャイズ・ロイヤルティ料とリース料が占めている。残りは、米国、海外運営市場、海外開発/ライセンス市場の3つの主要部門を通じて運営する自社店舗が占めている。
フランチャイズ・システムの不動産の55%と建物の80%を保有していることが、市場全体の品質基準と一貫性を維持するのに大きく寄与している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期比11%増の56.66億ドル(市場予想は55.65億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・2.28ドル(市場予想は2.17ドル)
1株利益、売上高とも予想を上回った。全世界既存店売上高、及び米国既存店売上高はともに予想を上回った。
今後の株価見通し
猛烈な利上げ観測、ウクライナ危機の悪化を踏まえ、欧米景気の悪化が懸念されており、このような相場環境下にあって、同社のような必需消費関連株は投資妙味が高い。おまけに同社株は45年連続増配の配当貴族銘柄である。260ドル超えから投資タイミングを図ることになろう。
ボストン・サイエンティフィック(BSX)決算:一株利益は0.39ドルで市場予想を上回る
ボストン・サイエンティフィックは、小さな開口部または切れ目を通して人体に挿入される侵入の少ない医療装置を生産する。
血管形成、血栓ろ過、心調律管理、カテーテル指向超音波イメージング、構造性心疾患、上部消化管診断、介入腫瘍学、および失禁の処置に使用するための製品を製造する。世界中のヘルスケア専門家や施設にデバイスを販売している。米国外売上高が全売上高の約半分を占めている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期比10%増の30.26億ドル(市場予想は29.52億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・0.39ドル(市場予想は0.38ドル)
売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。続く第2四半期調整済みEPSガイダンスレンジは予想を下回った。22年度通年ベース調整済みEPSガイダンスレンジの下限を引き上げ、予想に一致した。
今後の株価見通し
現在の相場環境(利上げ環境、原油高)を考慮すると、大型ディフェンシブ株として魅力的位置にある。46.50ドル超えから、60ドルを目指す展開を予想する。
ペイパル(PYPL)決算:一株利益は0.88ドルで市場予想と同じ
ペイパル・ホールディングスは、2015年にイーベイから分離独立して誕生した。オンライン取引に焦点をあて、マーチャント(加盟店)や消費者にデジタル決済ソリューションを提供している。
2021年末現在、4億2,600万のアクティブ・ユーザーを有し、このうち3,400万が加盟店である。また、海外送金事業を手掛けるXoom、消費者間の決済プラットフォームVenmoを傘下に有する。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★純収入・・・前年同期比7.5%増の64.8億ドル(市場予想64億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・0.88ドル(市場予想は0.88ドル)
営業収益は予想を上回ったものの、1株利益は予想範囲内となった。アクティブ顧客アカウント数は予想を上回った。総取扱高は3223億ドルと予想を下回っている。ガイダンスも公表し、通期の営業収益、1株利益ともに下方修正している。
今後の株価見通し
同社株は以下の通り、ベアトレンド下にある。110ドル超えから投資タイミングを図ることになろう。
フォード・モーター(F)決算:一株利益は38セントで市場予想を上回る
フォード・モーターは、フォードブランドおよびリンカーンブランドの自動車を製造する。2022年3月、内燃エンジン事業であるFord Blueとバッテリー式電気自動車(BEV)事業であるFord Model eを別々の部門とすると発表したが、どちらもフォード・モーターの下で運営される。
市場シェアは米国で約12.5%、欧州で約6.5%、中国では非連結子会社を含めて約2.4%となっている。半導体不足が解消し在庫が改善するにつれて、市場シェアは増加すると予想される。
米国の売上高が2021年の全社収益の約64%を占めた。従業員数は183,000人で、そのうち全米自動車労働組合員は56,000人。ミシガン州ディアボーンに本拠を構える。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3期)実績
★総収入… 345億ドル
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・38セント(市場予想は36セント)
1株利益が予想を上回ったほか、自動車部門の売上高も予想を上回った。通期のEBIT見通しも従来予想を据え置き、予想を上回っている。サプライチェーン問題を価格上昇で相殺した。
今後の株価見通し
同社株は、以下のチャートの通り、ベアトレンド下にあり、16ドル超えから投資タイミングを図ることになろう。