東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は続落となりました。103円高の27,183円で寄り付いた日経平均は直後に125円高の27,205円まで上昇した後伸び悩むと取引開始から15分弱でマイナスに転じ10時30分過ぎに145円安の26,933円まで下落しましたが、前引けにかけてやや持ち直すと72円安の27,006円で前場を終えました。90円安の26,989円でスタートした後場の日経平均は14時過ぎに354円安の26,724円まで下落した後持ち直しましたが、上値は重く結局214円安の26,865円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落し、東証マザーズ指数は昨年来安値を更新しています。
2.個別銘柄等
キリンホールディングス(2503)が4.2%高となりました。ミャンマーの国軍系企業と合弁で運営するビール会社の保有株式の全てを6月末までに手放しミャンマー市場から撤退すると発表したことや、自己株式を除く発行済株式総数の3.6%に当たる3000万株と500億円を上限とする自社株買いを発表したことが評価されました。2021年12月期の決算を発表した住友林業(1911)やコーセー(4922)も大幅高となりました。住友林業は米国の住宅事業が引き続き堅調に推移することなどから市場予想を上回る2022年12月期の業績見通しを発表したことで9.5%高となったほか、コーセーも高価格帯商品が好調で2021年12月期の営業利益が会社計画や市場予想を大きく上回って着地したことで8.5%高となりました。医療器具メーカーの朝日インテック(7747)も21.8%上昇しストップ高となりました。カテーテルやガイドワイヤといったメディカル事業が欧州や中国を中心に好調で上期の営業利益が前年同期比31.0%増の81億円となり会社計画を大きく上回ったことで買いを集めました。
一方でリクルートホールディングス(6098)が12.5%安となりました。傘下の米求人検索サイトのインディードが好調で第3四半期の営業利益は前年同期比で2.3倍と大幅な増益となりましたが、通期予想が据え置きとなったことで失望売りが膨らみました。クボタ(6326)も12.6%安となり昨年来安値を更新しました。2021年12月期の営業利益が会社計画を下回ったことや、2022年12月期の営業利益の見通しも市場予想に届かなかったことで売りがかさみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は214円安となりました。昨日に大きく下げた反動で買いが先行しましたが、昨日の米国市場が続落となるなど買い材料に乏しいこともあって伸び悩むと下落に転じ昨日に維持した節目の27,000円を割り込みました。そのため二番底を試す展開を警戒する見方も出てきそうです。なお、寄り付き前の8時50分に発表となった2021年10-12月期の実質GDPは前期比年率換算で5.4%増と2四半期ぶりにプラスとなりました。しかし、市場予想を下回ったこともあって影響は限定的でした。また、決算発表も終盤ですが本日も引け後にアサヒグループホールディングス(2502)やブリヂストン(5108)、ユニ・チャーム(8113)などの12月決算企業が決算を発表する予定です。さらに日本時間の22時30分には1月の米卸売物価指数(PPI)や2月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)