東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は、続落となりました。前日の米国株式市場において、主要3指数が揃って上昇した流れを引き継ぎ、前日比83円高の39,263円と反発で寄り付いた日経平均ですが、その後は軟調に推移しました。

寄付き後の前場は、ドル円相場が円安基調で推移したことから、輸出関連株を中心に堅調に推移し9時半ごろに本日の高値である39,299円を付けました。しかし、その後は売りが優勢で推移、10時半ごろに節目の39,000円を割り込むと、その後は一進一退で推移し、前場は235円安の38,944円で取引を終えました。

後場に入っても、一進一退で推移し、引け間際の14時35分ごろに発表されたTSMCの決算にて、四半期ベースで過去最高益を発表したことから一時的に大きく下げ幅を縮めるも、最終的には節目の39,000円を割り込む269円安の38,911円で取引を終えました。

新興市場では、東証グロース250指数が続落、0.8%安となりました。

2.個別銘柄等

関西電力(9503)が5.2%高、中部電力(9502)が4.4%高、東京電力ホールディングス(9501)が3.8%高、九州電力(9508)が8.0%高と、電力株が軒並み上昇しました。原子力規制委員会は16日の定例会合において、関西電力高浜原発1号機について、国内で初めて既に50年超運転している同原発の今後10年の管理方針を認可したことや、中部電力、九州電力の2銘柄は、国内証券の投資判断が格上げされたといった内容が材料となりました。

銀行セクターも米国の大手商業銀行が直近の決算にて、アナリスト予想を上回る堅調な内容を示したことが材料視され、業種別株価指数で銀行業は1.5%高となりました。中でも三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)は前日比30.5円(1.9%)高の1,620.5円を付け、5日続伸となりました。

オービック(4684)は前日比60円(1.2%)安の4,822円をつけ、5日続落となりました。今期の上半期営業利益が前年同期比8%増の380億円強となることを日経新聞が報じるも、第2四半期時点の営業利益コンセンサスは383億円と、概ね市場予想に沿った内容であったことからサプライズとはならず、株価はネガティブな反応を示しました。また同報道では、通期の業績も据え置かれる公算が大きいとされています。

ガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)は、前日比、一時377円(12.6%)高の3,375円をつけ、5年ぶり高値を更新する場面がありました。アクティビストとして知られるストラテジック・キャピタルが同社株を5.47%保有していることが明らかとなり、現預金を多く持つ同社に対し、自社株買い等の株主還元の要求が期待された買いが集まりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は、0.7%安で続落となりました。大引け前に発表されたTSMCの決算が市場コンセンサスを上回る内容であったことから、意識されていた半導体関連のリスクは和らいだといえるでしょう。また、本日16時頃にも半導体製造装置メーカーのディスコ(6146)の第2四半期決算が控えており、こちらもリスクを払しょくできる内容であるか注目です。

また経済指標では、今晩21時30分頃に米国の小売売上高の9月分速報が発表されます。前月比の市場予想は0.3%増が見込まれており、市場予想通りであれば3ヶ月連続の拡大となることから、消費の堅調さがうかがえソフトランディング期待が高まると考えられます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)