【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 43,077.70  △337.28 (10/16)
NASDAQ: 18,367.08  △51.49 (10/16)

1.概況

米国株式市場では、主要株価3指数が揃って反発しました。ダウ平均は33ドル安と小幅な下落で始まりましたが、金融株の好決算や前日に下げが目立った半導体株の一角に買いが入り、すぐに上昇に転じました。その後も米経済のソフトランディング期待や長期金利の低下が投資家心理を支え、堅調に推移しました。終盤にかけては上げ幅を拡大し、最終的にダウ平均は337ドル高の43,077ドルで取引を終え、2日ぶりに最高値を更新しました。S&P500株価指数も反発して27ポイント高の5,842ポイントで取引を終えました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は51ポイント高の18,367ポイントで取引を終えています。

2.経済指標等

9月の米輸入物価は、前月比-0.4%となり市場予想の-0.3%と前回結果の-0.2%(速報値-0.3%)を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や金融、不動産など9業種が上げ、なかでも公益事業は2%高となりました。一方、コミュニケーション・サービスと生活必需品が下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、21銘柄が上昇しました。特に、シスコシステムズ[CSCO]は、アナリストによる投資判断の引き上げを受け、4%超の上昇を記録しています。そのほか、ビザ[V]、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、ウォルト・ディズニー[DIS]、ナイキ[NKE]なども2%超の上昇となっています。一方で、9銘柄が下落し、インテル[INTC]、アムジェン[AMGN]、メルク[MRK]などが1%超の下落を見せました。

ダウ平均構成銘柄以外では、モルガン・スタンレー[MS]が第3四半期決算でトレーディング収入と投資銀行業務の手数料収入が予想を上回り、32%の増益を達成したことで株価は6.5%上昇しました。また、半導体のエヌビディア[NVDA]は、安値からの押し目買いや台湾積体電路製造(TSMC)の決算発表を17日に控えての期待買いが入り、3.1%上昇しています。一方で、製薬会社ノババックス[NVAX]は、安全性に関する懸念から、新型コロナとインフルエンザの混合ワクチンおよびインフルエンザワクチンの臨床試験を中止したことで19.4%下落しました。さらに、特殊メモリソリューションを手掛けるペンギン・ソリューションズ[PENG]は、第4四半期の売上高、EPSがともに市場予想を下回り、23.5%の下落となりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%低い4.01%となりました。ドル円は、149円半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、米国株高を受けて、上昇してのスタートが予想されます。そうしたなか、本日は半導体の台湾積体電路製造(TSMC)とディスコ(6146)の決算を控えており、日経平均は半導体関連銘柄の動きがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)