毎年のこととはいえ、本当につらい季節です。
早ければ1月中旬から5月のGW過ぎくらいまで、5人に一人の日本人が苦しめられていますから、まさに国民病ですね。
この時期、テレビのCMでは花粉対策ものがたくさん流れています。ドラッグストアに行けば、必ず花粉対策コーナーがあります。花粉症に効くという食べ物、治療法・・・毎年いくつもの商品がメディアに流れ、患者は(私も含めて)ワラにもすがる想いで必死に買いこみ、試してみることになります。
花粉症患者が増大していくにつれ、花粉症関連ビジネスが急成長・・・と思いきや、マイナスの方も大きいようです。
かぜ薬の「コンタック」で知られる医薬品、ヘルスケア企業グラクソ・スミスクライン株式会社は毎年花粉症に関する意識調査(インターネット調査)を行っています。以下ここ数年の調査で気になった項目の抜粋です。
【2008年1月:全国の20~39歳の花粉症の症状を持ち、部下を持つビジネスパーソン男女412人】
・花粉症がなくなるのなら、払ってもよい金額は平均で332,251円
・集中力が3割~5割落ちると回答した人はあわせて59.3%
【2008年12月:全国の20~39歳の、春に花粉症になった経験のある男女411人】
・花粉症によって国民レベルで受ける影響は、「仕事の効率が落ちることによる 生産性の低下」が72.5%
・花粉症で生産性が低下したことによる1日あたりの損失を金額にすると平均5,949円
【2010年1月:全国の20~39歳の、春に花粉症になった経験のある会社員・公務員・自由業の男女620人】
・仕事に影響を及ぼすとした人78.4%
・花粉症による精神的な負担を金額で表した場合、「10 万円以上(20 万円以上 と回答した人含む)の精神的負担」と回答した人は全体の14.4%
花粉症は苦しい諸症状といった身体的な苦痛だけではなく、精神的負担も多く、それは仕事の効率・生産性にも大いに影響します。
国民2,000万人以上と言われる花粉症患者が1日あたり約6,000円の経済損失を産んでいると、1日あたり1,200億円にも上ることになります。それが少なくとも1カ月半以上(仮に45日とした場合)続くとなると、国の経済損失はこの季節、5兆4,000億円以上です!
花粉症の完全治療法が見つかればノーベル賞ものと聞いたこともあります。関連ビジネスもさることながら、(国も既に着手しているようではあります)そもそもの花粉の元を一掃する努力こそ国民経済に大きなプラスになるのではないでしょうか。一患者としても切に願っています。
廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員