米国市場でS&P500が再び史上最高値を更新した。ダウ平均は前週末比で1,390ドル上昇。週間の上げ幅は2020年11月以来、1年1カ月ぶりの大きさとなった。つまりオミクロンもインフレも、米国株相場にとっては、もはや悪材料ではないということだ。

そうであるなら今週最大の注目点である14、15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)も波乱材料にはならないだろう。FOMCでは資産購入プログラムのテーパリング加速が議論されるほか、メンバーの経済見通しも公表される。ただ、市場はテーパリングの来年3月終了、年央から利上げ開始というシナリオをすでに織り込み済みだ。ドットチャートの中央値が来年に年2回の利上げを示唆する程度なら市場の反応は限定的となるだろう。

今週はFOMCのほか、16日のECB定例理事会やイングランド銀行政策金利発表、16~17日の日銀・金融政策決定会合と中銀ウィークだが、FOMCのほかに見るべき点はないだろう。

今週注目するべき主要な経済指標はすべて米国のもので、PPI(生産者物価指数)、小売売上高、ニューヨーク連銀製造業景気指数、フィラデルフィア連銀景況指数、鉱工業生産などがあるが、15日の小売売上高で年末商戦の出足を確認したい。

中国の不動産大手、恒大集団の格付けがフィッチによって部分的なデフォルトと認定されたが、これも大きな懸念材料にはならないだろう。中国政府は先週開催した中央経済工作会議で、景気の下支えに動く方針を発表した。不動産規制も部分的に修正する。

高インフレ継続を所与として米国の金融政策転換も市場は織り込み、米国経済の回復に中国の景気刺激策と、これだけ好材料が揃えばマーケットは「リスクオン」の地合いだ。問題はその中での日本株の弱さである。これはストラテジーレポートでも書いた通り、日本の政治や構造問題に起因するだけに一朝一夕には、いかんともしがたい。

せめて2万9000円台回復を目指して、今週は堅調に足場固めをする展開を期待したい。オミクロン株に対する楽観が急速に広がっているが、根拠は薄い。感染が急拡大するリスクも十分あり、楽観論の揺り戻しには注意したい。