ハリバートン(HAL)決算:一株利益は28セントで市場予想を上回る

企業概要

ハリバートンは、世界第2位の油田サービス会社である。1920年代に石油およびガスの坑井セメント作業の先駆的な企業となり、そこから、坑井セメント作業、坑井仕上げ設備、圧力ポンプなどの主な製品ラインを持つ主要な坑井エンジニアリング企業に発展してきた。1998年のDresserの買収で、第2の重点分野として掘削サービス事業が加わったが、今日では業界リーダーのシュルンベルジェに次ぐ位置づけにある。20年近く前に始まった米国のシェールに対する戦略的な方策のため、シェール革命を促進する上で、比類ない役割を果たしてきた。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第3四半期(7月-9月期)実績

★売上高・・・前年同期比30%増の38.60億ドル(市場予想は39.02億ドル)

★ 1株当たり利益(調整後)・・・28セント(市場予想は27.5セント)

★純利益(調整後)・・・前年同期比148%増の2.48億ドル(市場予想は2.46億ドル)

7-9月期決算(第3四半期)決算では、1株利益は予想範囲内となったものの、売上高は予想を若干下回った。南米は好調だったものの、米国を始め各地域で売上高が予想を下回っている。

【図表1】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表2】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

大規模なベアトレンドを上抜き始めた。経済正常化に向け、更なる上値追いが期待できそうだ。原油価格の堅調な動きが株価を支えている。

【図表3】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

ネットフリックス(NFLX)決算:一株利益は3.19ドルで市場予想を上回る

企業概要

ネットフリックスは、ストリーミング動画配信事業を展開している。動画は中国を除く世界のほとんどの国で視聴することができる。自社のオリジナル作品や他社制作のコンテンツを、パソコン(PC)やインターネット対応テレビ、また、タブレット端末、コンソール型ビデオゲーム機、Apple TV、Roku TV、Chromecastなどの家電製品を通じて配信している。2011年から米国ではストリーミングとDVDの両方の視聴が可能であったプランからDVDプランが分離された。米国の会員は、ストリーミング限定プランかDVD限定プランのどちらかを選択するか、両方を視聴したい場合はふたつのプランに加入する必要がある。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第3四半期(7月-9月期)実績

★ストリーミング売上高・・・前年同期比16%増の74.8億ドル(市場予想は74.8億ドル)

★1株当たり利益・・・3.19ドル(市場予想は2.56ドル) 

第4四半期ガイダンス

★ストリーミング売上高・・・77.1億ドル(市場予想は76.8億ドル)

★1株当たり利益・・・0.80ドル(市場予想は1.10ドル)

★営業利益率・・・6.5%(市場予想は10.5%)

2021年7-9月期決算は売上高が前年同期比16%増の74億8346万ドル(約8600億円)、純利益が同83%増の14億4907万ドルだった。韓国で制作したドラマ「イカゲーム」の大ヒットが後押しし、前の四半期に2013年以来の低水準だった会員の拡大ペースも復調した。

【図表4】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表5】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

決算発表日は639ドルで引けた。決算発表後の時間外取引では、636ドル台で推移した(NY時間午後5時15分時点)。これまで上昇してきた後だけに、利益確定売りが出ている。ただし、2022年は年間ベースでFCF(フリーキャッシュフロー)がプラスになると予想されるなど明るい展望が開けており、株価は再度上値追いとなろう。

【図表6】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)決算:一株利益は4.52ドルで市場予想を上回る

企業概要

ユナイテッドヘルス・グループは、米国最大の民間医療保険会社であり、2020年末現在、米国と海外を合わせて4800万人の会員に医療給付サービスを提供している。事業者提供医療制度、自家保険制度、政府による公的保険制度のための医療保険プラン大手として、マネージド・ケア市場で大規模に事業を展開している。また、医療保険事業に加え、医療・薬剤給付サービスから提携先および第三者に対する外来患者ケアや分析サービスまでを手掛けるオプタム事業への継続的な投資により、ヘルスケア・サービス市場で巨大な組織を構築している。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第3四半期(7月-9月期)実績

★売上高 ・・・ 前年同期比11%増の723.37億ドル(市場予想は711.06億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・ 4.52ドル(市場予想は4.39ドル)

★純利益・・・前年同期比28%増の43.17億ドル(市場予想は42.19億ドル)

2021年通期ベースガイダンス

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・18.65-18.90ドル(従来予想は18.30-18.80ドル、市場予想は18.72ドル)

7-9月期決算(第3四半期)では、売上高、調整済みEPSともに予想を上回った。受け取り保険料に対する支払いコストの割合であるメディカルケア・レシオも83.0%と予想(83.6%)よりも低かった。2021年度通期調整済みEPSガイダンスレンジを引き上げ、予想を上回った。

【図表7】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表8】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

好決算発表を受け、同社株は史上最高値圏に接近した。長期的に、人口増加と高齢化による医療ニーズの高まりは同社株に有利である。更なる上値追いの展開となろう。

【図表9】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

プロクター・アンド・ギャンブル(PG)決算:一株利益は1.61ドルで市場予想を上回る

企業概要

プロクター・アンド・ギャンブルは、日用消費財の製造で世界最大手のうちの1社である。1837年に創業、年間売上高は750億ドルを上回る。タイド(洗濯用洗剤)、シャ-ミン(トイレットペーパー)、パンテーン(シャンプー)やパンパース(おむつ)など21の高い知名度を持つブランド・ラインを有し、各ブランド製品の年間売上高は全世界ベースで10億ドルに及ぶ。選択と集中を進め、2012年には最後まで保有していた食品ブランドのプリングルズ(ポテトチップス)をケロッグに売却した。事業拠点を置く米州以外の地域が連結売上高のおよそ55%を占め、新興国市場がおよそ同売上高の3分の1を構成している。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第1四半期(7月-9月期)実績

★売上高・・・前年同期比5%増の203.38億ドル(市場予想は199.18億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.61ドル(市場予想は1.59ドル)

★純利益・・・前年同期比4%減の41.12億ドル(市場予想は40.55億ドル)

7-9月期決算(第1四半期)では、1株利益、売上高とも予想を上回った。パンデミックを背景とした日用品の需要増の恩恵を引き続き受けている。通期ガイダンスも公表したが、売上高、1株利益とも据え置いた。

【図表10】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表11】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

高いブランド力を背景に、巧みなマーケティング戦略を用い、世界の人口増によるメリットをフルに享受している。製品の成熟化が進み、新規の設備投資や研究開発費が少なく、利益が恩沢に蓄積されることになる。25年以上にわたり毎年一貫して増配を実施。バイデン政権が推し進める最低賃金引上げにより、購買力がついた消費者は、良く工夫された、使い勝手の良い、利便性が高い日用品の消費を増やすと考えられる。

【図表12】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)決算:一株利益は1.17ドルで市場予想を上回る

企業概要

ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスは、米国50州、および世界11ヶ国で21,000店を超える店舗を展開する大手小売薬局チェーンである。交通量の多い好立地に実店舗を開くのが同社のコア戦略で、各店舗を囲む5マイルの地域を合わせると、米国の人口のおよそ80%にあたる人々が居住していることになる。現在、国内の処方箋薬局市場におけるシェアはおよそ20%と首位を占めている。2021年に、Alliance Healthcareの卸売事業の大半をAmerisourceBergenに65億ドルで売却し、コア事業である薬局と、VillageMD社と展開するプライマリーケア・クリニック事業とデジタル(オンライン/モバイル)販売事業の強化を図る。また、AmerisourceBergen(29%)やSinopharm Holding Guoda Drugstores Co, Ltd(同40%)にも出資している。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第4四半期(6月-8月期)実績

★売上高・・・前年同期比1%減の342.62億ドル(市場予想は330.72億ドル)

★一株当たり利益(調整済み)・・・1.17ドル(市場予想は1.00ドル)

★純利益・・・前年同期比15%増の10.19億ドル(市場予想は8.86億ドル)

6-8月期決算(第4四半期)では売上高、調整済みEPSともに予想を上回った。米国、海外とも好調だった。第4四半期に1350万回分の新型コロナワクチン接種を実施し、2021年度は計3460万回分に達した。店舗のほか、老人ホームやその他の場所で注射を実施した。米既存店売上高は、そのブースター(追加接種)を含むワクチン接種が寄与し、前年同期比で8.1%伸びている。

【図表13】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表14】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

株価はベアトレンドを上抜き始めたが、いまだ上昇力が弱い。投資の果実が熟していないということだろう。56ドル超えから投資タイミングを図ることになろう。

【図表15】株価5年間チャート
出所:トレードステーション