東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて3日ぶりに大幅反発となりました。502円高の30,141円で寄り付いた日経平均は直後に609円高の30,248円まで上昇した後9時40分過ぎに470円高の30,110円までやや弱含みましたが、その後上げ幅を広げると561円高の30,200円で前場を終えました。596円高の30,235円でスタートした後場の日経平均は14時前に577円高の30,216円まで上げ幅を縮めた後14時50分過ぎに636円高の30,276円まで上昇すると結局609円高の30,248円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇し、東証マザーズ指数は3.2%高となっています。

2.個別銘柄等

日本製鉄(5401)が3.7%高となりました。森高弘副社長が今期の業績について公表している数字よりアップサイドにいくだろうと期待していると述べたと伝わったことで大幅高となりました。米長期金利の上昇を受けてメガバンクも高く、三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)が4.2%高となり年初来高値を更新したほか、三井住友フィナンシャルグループ(8316)も3.3%高、みずほフィナンシャルグループ(8411)も2.0%高となりました。生保株も高く、第一生命ホールディングス(8750)が4.3%高、T&Dホールディングス(8795)も3.8%高となり、T&Dホールディングスは年初来高値を更新しています。海運市況の上昇を好感した買いが続き大手海運株も高く、日本郵船(9101)が8.1%高、商船三井(9104)が6.7%高、川崎汽船(9107)も11.0%高となり、3銘柄が揃って年初来高値を更新しています。

ソニーグループ(6758)も5.2%高となり年初来高値を更新しました。インドで映像製作・配信事業を手掛ける子会社が現地の放送大手と経営統合すると発表し、統合会社が放送事業でインド最大手となる見通しとなったことが材料視されました。また、投資判断や目標株価の引き上げを受けて年初来高値を更新したのがパーソルホールディングス(2181)や旭ダイヤモンド工業(6140)で、パーソルホールディングスが7.1%高、旭ダイヤモンド工業も13.5%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は609円高となりました。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果がほぼ市場の予想通りの内容となったことで安心感が広がったことや、中国不動産大手の中国恒大集団の債務問題への警戒感が一旦後退したことなどから米国市場が大幅続伸となりダウ平均が2日間で840ドル以上上げたことから大幅高となりました。また、21日と22日の2日間で860円も下げたことで25日移動平均線との乖離率が2%台前半まで低下したこともあって買いが入りやすかったといえます。短期的な過熱感も徐々に解消されてくるなかで来週は14日に付けたおよそ31年ぶりの高値(30,670円)を試すような場面がみられるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の23時には8月の米新築住宅販売件数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)