トルコと聞いて皆さんは何をイメージされますか?人によって大きく異なるのではないかと思います。

世界三大料理の一つと言われるトルコ料理。これは意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、フランス料理と中華料理と並び称されています。粘りのあるトルコアイスも人気がありますよね。
文化の融合、エキゾチックな街イスタンブールに思いをはせる方もいるでしょう。シルクロードの東西の中継点として栄えた古都です。
たびたび報じられるテロをイメージされる方も少なくないでしょう。トルコは、その99%の国民がイスラム教徒という国で、宗教的な背景からの民族問題などを抱えた国でもあります。

さて、トルコの現在の与党は国民から絶大な支持を得ているイスラム系政党です。
この与党、大学で女子学生にスカーフ着用を認めるという憲法改正を主導して行ったところ、政教分離主義に反するとして野党から訴えられ無効に、さらに与党解党、首相・大統領の政治活動休止を求める裁判を起こされたのです!与党が裁判に負ければ与党解党、首相、大統領不在??という大変な事態になるところでした。

先週、その裁判において、与党解党案は棄却され、国内の圧倒的な支持を誇る与党は引き続き政権を担うこととなったのです。この判決により、当面の政局の混乱は回避されるものとみられていて、トルコが加入を検討しているEUも歓迎を表しました。

こうした国内の混乱というのは、本格的になってしまうとその国だけで済む問題ではなく、国際問題へとつながります。特にポストBRICsとしても注目を集めるほど、経済が大変順調に拡大しているトルコのような国であれば、世界中から巨額のマネーが投入されているだけに、ただの政情不安では済まされなくなり、各国の経済問題にまで波及してくることになります。
こうした政治の状況は、国のリスクをみる上でとても需要で、それはカントリーリスク(ソブリンリスク)といった格付けに表れてきます。そしてこうした政情は為替の値動きにも大いに関係しているのです。

そういう点から、政情不安を回避した今回の判決はトルコリラへの投資を考えるにあたり、大変喜ばしいことで、実際トルコリラ/円は安心感から急反発しています。

現在マネックス証券ではトルコリラ建て債券を取り扱っていますが、発行体は信用度が最も高い最上位の格付けを得ているアジア開発銀行です。利金が払われなくなる、償還されなくなる、といった債務不履行の可能性はもっとも少ないといえます。
もちろんトルコリラ建てですから、為替リスクがある債券です。そして為替リスクは上述したようなカントリーリスクの影響を受けることも充分にご理解ください。

トルコリラ建てアジア開銀債 年利率15.10%(税引前) 満期2年 
詳しくはこちら> http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new2008/news807s.htm
(私が動画で解説をしています!)

経済発展が注目される新興国の場合、経済だけではなく、政情にも注目をしつつ、好機を逃がさない投資を心がけていきたいですね。

廣澤 知子
マネックス証券 マーケティング部 マネジャー
シニア・フィナンシャル・アドバイザー

※ リスク・手数料等に関しては、『 10 リスクおよび手数料等の説明』の 「債券取引に関する重要事項」ご覧ください。