複利効果は自己投資にも活用しよう
将来のためにお金を貯めるだけでなく、「今」を楽しむためにもお金を使いましょう。同じお金を使うにしても、若い時のほうが色々な経験ができます。
複利効果は金融商品への投資だけで得られるものではありません。「自己投資」においても複利効果は発揮します。自分の価値が上がれば、それが複利になって将来の大きな力となるからです。
「死ぬまでにいかにお金を使い切るか」という新しい視点を提示した米国の経営者、ビル・パーキンス氏は、若い頃は旅に出て格安のユースホステルに泊まり、同世代の旅人と和気あいあいと楽しむことができる一方で、30歳になると責任のある立場に立つため、長期的な休みが取りづらいと語っています。
また、簡素な宿泊施設に泊まったり、大荷物を抱えて移動したりすることが体力的に難しい点も挙げています。若い頃は多少の無茶ができるため、バックパックといった格安旅行が可能です。そうして得た経験は、「新しい価値観を知ったきっかけ」として後々の人生を豊かにすることができます。
しかし、経験で得られる「経験ポイント」とも言えるものが、年齢の上昇とともに下がってしまうのです。そのため、自己投資は若いうちこそ後々の人生で役立ちます。
そして、お金に換算できない「見えない資産」(無形資産)への投資も大切です。知識やスキルだけでなく、人間関係、評判、健康などを築いていくことも、これからの時代には欠かせません。価値が高く、実力のある人は、会社や年齢という枠組みを超えて、いつまでも必要とされ続けるでしょう。
未来の自分が笑顔で生活を送っているためには、複利効果を意識し、「時間とお金」を経験や無形資産構築に配分していくことも大事です。
「タイムバケット」を用いて後悔しない人生計画を立てよう
ここで、「タイムバケット」というツールを用いて、人生のどこで何をやるのか、考えてみるのをおすすめします。
まず現在をスタート、予想される人生最期の日をゴールとします。そして、その間を5年、10年で区切り、その区切り(時間のバケツ=タイムバケット)に、やりたいこと、起こりうる大きなイベントを入れていきます。
時間と健康とお金を軸に考えると、自由な時間を得たからできること、健康であるからこそ楽しめること、お金があるから実現できること、それぞれ違ってきます。将来、時間ができた時にやろうと思っても、若いうちにやるからこそ価値があることもあるでしょう。
時間を味方につけるには早くやるしかありません。残りの人生で「今この時」が常に1番若いのですから、始めるのに遅いことなんてないのです。今から始めていきましょう!
(2023年3月17日に公開した記事を元に再構成し、2024年12月12日に更新しました。)