先週は米国の重要な経済指標の発表が続きました。まずISM協会発表の製造業、非製造業(サービス業)の景況感指数ですが、1月は大幅上昇。特に重要な非製造業の指数が予想を大きく上回る好転ぶりとなりました。とりわけ非製造業雇用指数が2011年12月に節目となる中間位置の50を下回り、景気悪化懸念を浮き彫りにしたばかりでしたが、2012年1月は57.4と一気にリーマンショック後の最高値をつけるほどの力で上昇しました。1月の米国は雇用者数も前月に比べて243,000人増加し、加えて速報値であった11月、12月の数値も上方修正されました。2012年は米国大統領選挙の年だけに、雇用環境改善は最優先課題となっている模様です。なお、失業率も前月より0.2ポイント改善し、3年ぶりの8.3%という水準になってきています。
このように米国経済は主要経済指標が大幅に好転しており、米国株は2011年と同じように5月頃まで上昇する可能性が出てきました。もっとも年初来で急騰が続いておりますから、2月は短期的に調整する可能性はありますが、そこは押し目買いのタイミングになる可能性があります。ともあれ、以前より指摘しておりますように、香港株は中国株と米国株の双方の影響を受けますので、米国株の上昇は香港株にとって大きなプラスとなります。その一方で中国の経済指標の方はまちまちでした。1月の製造業景況指数(PMI)は50.5となり、前月の50.3から上昇したほか、市場予想を若干上回りました。しかし、2012年1月1~28日の中国4大銀行の新規融資額が3000億限前後になったという報道があり、これは市場予想よりも低い水準であったように見受けられます。
このように米国と異なり、中国の方はめざましいニュースが出たというわけではないのですが、2月2日(木)と3日(金)、中国本土市場は続伸となりました。アジア株が大きく上昇しているため、主に金融株が割安感から買われた他、政策期待で農業株が大きく上昇し、市場を牽引しました。中国経済は金融引き締めが続いている状況ですが、それだけに中国本土株は他の主要国よりも出遅れている状況です。しかし、このまま米国株、アジア株の上昇が続けば割安感から買われ、上昇が続く可能性が出てきたところと言えると思います。