ペイパル・ホールディングス(PYPL)決算:一株利益は1.22ドルで市場予想を上回る
企業概要
ペイパル・ホールディングスは、2015年にイーベイから分離独立して誕生した。オンライン取引に焦点をあて、マーチャント(加盟店)や消費者にデジタル決済ソリューションを提供している。2020年末現在、3億7,700万のアクティブ・ユーザーを有し、このうち2,900万が加盟店である。また、海外送金事業を手掛けるXoom、消費者間の決済プラットフォームVenmoを傘下に有する。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★純収入・・・前年同期比31%増の60.3億ドル(市場予想58.8億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.22ドル(市場予想は1.01ドル)
第2四半期ガイダンス
★純収入・・・62.5億ドル(市場予想は61.6億ドル)
★調整後1株増益率・・・5%(市場予想は2.11%)
通期ガイダンス
★純収入・・・257.5億ドル(市場予想は257.2億ドル)
★調整後1株増益率・・・21%(市場予想は17.6%)
2021年1-3月期決算は売上高が60億3000万ドル(約6600億円)と前年同期から31%増えた。総決済額は2850億ドルと同50%増え、過去最高になった。純利益は13倍の10億9000万ドルだった。
今後の株価見通し
素晴らしい決算だった。決算発表日引け後の時間外取引では、4%強上げている。
ブリストル・マイヤーズ・スクイブ(BMY)決算:一株利益は1.74ドルで市場予想を下回る
企業概要
ブリストル・マイヤーズ・スクイブは、心血管疾患治療薬やがん免疫治療薬など様々な治療領域での創薬、開発、販売を手掛ける。がん免疫治療薬分野に注力し、同分野で業界をリードしている。医薬品以外の事業を多角的に展開する競合医薬品会社と異なり、いくつかの非医薬品事業から撤退し、価格設定力が強いとされるブランド特殊医薬品(先発薬)に特化している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期比3%増の110.73億ドル(市場予想は111.52億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.74ドル(市場予想は1.81ドル)
★純利益・・・前年同期比ほぼ変わらずの39.52億ドル(前年同期は41.43億ドル)
2021年度通期ガイダンス
★売上高・・・1桁後半台
★1株当たり利益(調整後)・・・7.35-7.55ドル(従来予想は据え置き、市場予想は7.48ドル)
第1四半期売上高、調整済みEPSはともに予想を下回った。2021年度通期ベース調整済みEPSガイダンスレンジを据え置いたが、予想を下回った。
今後の株価見通し
決算発表日の株価は4.76%下落した。株価チャートはダイアゴナル・トライアングル(斜辺三角形)を形成している。株価上昇につながるカタリストを待ちたいところだ。
リフト(LYFT)決算:一株損失は1.31ドルで赤字幅が市場予想を上回る
企業概要
リフトは、米国第2位のライドシェアリング・サービスを展開する企業である。乗客と運転手をリフト(Lyft)アプリケーションでつないでいる。2013年に米国で設立され、米国外に市場を拡大するため、最近になってカナダ市場に参入した。伝統的なプライベートライド、シェアードライド、ラグジュアリーライドを含むさまざまな乗車手段を提供している。また、乗用車のライドシェアリングに加えて、バイクとスクーターのライドシェアリング市場にも参入し、ユーザーの交通手段の選択肢を広げている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期比7%増の6.09億ドル(市場予想は5.58億ドル)
★1株当たり損益(一部項目を除く)・・・1.31ドルの赤字(市場予想は53セントの赤字)
決算総括
第1四半期売上高は予想を上回ったが、調整済みEPSの赤字幅は予想以上に悪化した。ただし、市場が注目するアクティブライダー数、アクティブライダー1人当たりの売上高はともに予想を上回った。
今後の株価見通し
決算を受け、決算発表日の同社株は59ドル台に上昇(決算発表日場中の引け値は56.19ドル)。
メルク(MRK)決算:一株利益は1.40ドルで市場予想を下回る
企業概要
メルクは、循環代謝病疾患、がん、感染症など幅広い治療分野の薬剤を製造する医薬品会社である。がん治療薬の中では、がん免疫療法が成長分野で全社売上高への貢献度が高い。また、B 型肝炎、小児疾患、および、子宮頸がん(HPV)、帯状疱疹予防薬などさまざまなワクチンも製造している。さらに、動物の健康のための医薬品の販売も手掛ける。地域別では、全社売上高の40%近くを米国市場が占めている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期0.2%増の120.80億ドル(市場予想は125.69億ドル)
★1株当たり利益(調整後)・・・1.40ドル(市場予想は1.62ドル)
★純利益(調整後)・・・前年同期比7%減の35.56億ドル(市場予想は40.74億ドル)
2021年度通期ガイダンス
★売上高・・・8%-12%増の518-538億ドル (従来予想は据え置き、市場予想は523.5億ドル)
★1株当たり利益(調整後)・・・6.48-6.68ドル(従来予想は据え置き、市場予想は6.54ドル)
決算総括
第1四半期売上高、調整済みEPSはともに予想を下回った。2021年度通期ベース売上高、調整済みEPSガイダンスレンジはともに予想を上回った。
今後の株価見通し
同社株は1年強のベアトレンドに入っている。今回の決算を受け、底値模索の動きとなりそうだ。
ペイコム・ソフトウェア(PAYC)決算:一株利益は1.47ドルで市場予想を上回る
企業概要
ペイコム・ソフトウェアは、人事管理ソリューションを、26,500社を超える小規模・中規模事業者にクラウドベース(SaaS)で提供する急成長中のソフトウェア会社である。人材獲得、労働管理、給与、人材マネジメント、人事管理など顧客企業の従業員の採用から退職までの全雇用ライフサイクルをカバーするソリューションをウェブを通じて提供している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期比12%増の2.72億ドル(市場予想は2.71億ドル)
★1株当たり損益(一部項目を除く)・・・1.47ドル(市場予想は1.41ドル)
第2四半期(4月-6月期)ガイダンス
★売上高・・・2.31-2.33億ドル(市場予想は2.27億ドル)
★調整済みEBITDA・・・8000-8200万ドル(市場予想は7890万ドル)
通期ガイダンス
★売上高・・・10.2億ドル(市場予想は10.1億ドル)
★調整済みEBITDA・・・4.0-4.02億ドル(市場予想は3.97億ドル)
第1四半期売上高、調整済みEPS、調整済みEBITDAは全て予想を上回った。粗利が若干予想を下回った。続く第2四半期、2021年度通期ベース売上高、及び調整済みEBITDAガイダンスレンジは全て予想を上回った。これを受け、引け後の時間外取引では、発表日の引け値とほぼ変わらずの推移となっている(NY時間2021年5月4日午後7時時点)。
今後の株価見通し
概ね決算内容はしっかりだ。ただし、最近のハイテク株安のトレンドを受け、しばらく値固めの動きが予想される。