2021年春から紙の通帳を有料化する動きが広がったり、休眠口座から管理手数料を取ったりするなど、新たな手数料がかかるようになった銀行。最近ではATMの利用などにも手数料が必要になるところが増え、銀行取引にかかるお金が気になるようになりました。
新社会人、大学生の方、アルバイトを始めた方などの中には、新しい口座を作ったという人も多いと思いますが、どのように比較して銀行を決めたでしょうか。
通帳発行にも手数料がかかる時代へ
あなたがいつも使っている銀行の手数料について、ご存知でしょうか。ここ数年、銀行の収益が下がっている影響もあり、今までよりも取引手数料が上がったり、新たな手数料が課せられたりしています。
2021年1月からは、みずほ銀行で通帳を発行するには1冊1,100円(税抜)の手数料がかかります。今までは無料で発行されていましたが、通帳の発行には1冊200円の印紙税がかかり、このコストは銀行全体で年間700億円もの負担になっているそうです。また、紙にもコストがかかっています。その負担を減らすために、紙の通帳は有料とし、代わってWEB通帳に切り替えようという動きを推進しています。
他では、2020年にゆうちょ銀行が通帳の再発行に1,110円、2021年4月からは三井住友銀行も、紙の通帳に対し利用する口座から550円(税抜)を手数料として引き落とすとしています。今後、他の銀行でも通帳の有料化は増えていきそうです。
こういった手数料は仕方がないとは思いますが、とは言え、私たち利用者にとっては節約したいもの。利用する銀行を選ぶには、しっかりと「手数料」を考慮することが必要です。
ATMも手数料アップ、銀行間で共有化も進行中
大手銀行がコンビニATMの手数料を上げました。ネット銀行でも、入金に手数料がかかるケースが出ています。預金残高や利用しているサービスなどの条件をクリアすると無料になることもあるのですが、その条件も厳しくなってきているようです。
効率良く銀行取引を行うため、ATMの共有化も進んでいます。三菱UFJ銀行のATMでは一部制限はありますが、三井住友銀行の取引もできるものが増えています。コンビニATMではネット銀行、店舗型銀行問わず多数の銀行取引ができます。
最近ではキャッシュレス決済が増え、現金を手にする機会が今までよりも減っていることから、ATMを共有化することで効率化、低コスト化を図っているのです。
店舗型銀行では、その銀行のATMでしか現金の出し入れなどの取引ができない、コンビニATMでできても手数料がかかる、といった印象がありましたが、取引ができる場所が増えることで利便性が増します。徐々にネット銀行とネットバンキングでは差がなくなってきているように感じます。
ネット銀行と店舗型銀行のネットバンキング、どちらがよいか
店舗型の銀行もWEB通帳を作ったり、スマホアプリやインターネット上で取引ができるようになったり、ネット銀行と大差がなくなってきました。信頼できる大手銀行のネットバンキングということで、安心して利用している方も多いでしょう。では、このネット銀行とネットバンキング、一体何が違うのでしょうか?
ネット銀行は店舗数が少なく、人件費も多くかからないため、振込みなどの取引手数料が安いことが特徴です。預金金利も高めに設定している銀行が多いです。困ったことがあればコールセンターが対応してくれます。
以前はセキュリティ面が不安だという人もいましたが、最近は強化され、大きな問題となる話は聞きません。とは言え、ネット銀行ではまだ税金の支払いや還付を受けることに対応できていない銀行もあります。
ネットバンキングは、窓口よりは安いですがネット銀行に比べ手数料が高いのが難点です。預金金利も窓口より少し高い場合が多いようです。良いところは、窓口でできる取引のほとんどがネットでできますし、今までメインバンクで利用していた銀行がネットで使えるという点が便利です。セキュリティ対策も力を入れています。
あまり差のないネット銀行とネットバンキングですが、比較すべきは手数料と金利。利便性と安心感を求める人は窓口がある銀行のネットバンキングを、これに加えてより手数料を安く、金利を高くなど、利益を気にされる方はネット銀行が向いていると言えます。