東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は反発となりました。日経平均は263円高の29,441円で寄り付くと10時30分に406円高の29,585円まで上昇しましたが、やや上げ幅を縮め334円高の29,513円で前場を終えました。さらに100円以上上げ幅を縮め226円高の29,404円でスタートした後場の日経平均は12時40分前に140円高の29,318円まで弱含みましたが、その後引けにかけて戻すと結局210円高の29,388円で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が上昇となった一方で、日経ジャスダック平均は下落となっています。
2.個別銘柄等
第一生命ホールディングス(8750)が急伸し9.5%高となり年初来高値を更新しました。発行済み株数の15.25%に当たる1億7000万株と2000億円を上限とする大規模な自社株買いを発表したことで買いを集めました。東芝(6502)も4.5%高となり年初来高値を更新しました。東芝が出資する国内半導体大手のキオクシアホールディングス(旧東芝メモリホールディングス)の買収の可能性について米半導体大手のマイクロン・テクノロジ(MU)やウエスタンデジタル(WDC)が検討していると伝わったことが材料視されました。また、バイデン政権のインフラ投資計画に製造業の振興策として半導体の米国生産を支援する補助金が盛り込まれたことから昨日の米国市場でアプライドマテリアルズ(AMAT)やラムリサーチ(LRCX)、KLA(KLA)といった半導体製造装置株が買われた流れを引き継いで東京エレクトロン(8035)が4.7%高となったほか、SCREENホールディングス(7735)が6.1%高、レーザーテック(6920)が4.5%高、アドバンテスト(6857)が4.1%高となりました。東京エレクトロンが上場来高値を更新し、SCREENホールディングスとアドバンテストも年初来高値を更新しています。
一方でニトリホールディングス(9843)が4.2%安となりました。営業増益の今期見通しを発表しましたが、前期から伸びが大きく鈍化することが嫌気されました。川崎重工業(7012)も3.7%安となりました。通期の利益予想を上方修正し最終赤字が縮小する見通しとなりましたが、市場予想よりも赤字額が大きく失望となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は210円高となりました。昨日の米国市場でハイテク株が買われナスダック総合株価指数が大幅高となったことで買いが優勢となり、寄り付き前の8時50分に発表となった大企業・製造業の業況判断指数(DI)がプラス5と市場予想を上回ったこともあって一時は400円以上上げる場面もありました。利益確定の売りが出て後場に上げ幅を縮めましたが200円を超す上昇となったことで新年度はまずまずのスタートを切ったといえそうで、4月は海外投資家が現物株を買い越す傾向が顕著な月だけに明日以降の展開にも期待が持てそうです。なお、日本時間の23時には3月の米ISM製造業景況感指数が発表される予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)