東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日続落となりました。147円安の25,486円で寄り付いた日経平均は175円安まで下落した後10時20分過ぎに78円安の25,555円まで持ち直しましたが、再び下げ幅を広げると11時20分過ぎに191円安の25,442円まで下落し167円安で前場を終えました。164円安でスタートした後場は13時前に208円安の25,425円まで下落し本日の安値を付けましたが、持ち直すと14時10分前に92円安の25,541円まで戻しました。その後も25,500円を挟んで小幅に揉み合う展開となった日経平均は結局106円安の25,527円で取引を終えています。一方でTOPIXは小幅に続伸となりましたが、新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が下落となったものの、日経ジャスダック平均は上昇となっています。
2.個別銘柄等
日立金属(5486)が9.9%高と急伸しました。日立(6501)が上場子会社の日立金属の売却に向けて入札手続きに入り、複数の米大手投資ファンドが応札を検討していると報じられるなか、米大手投資ファンドが大株主となることで経営の機動性が増すことを期待した買いを集めました。シキボウ(3109)も7.4%高となりました。抗ウイルス加工「フルテクト」を施した機能素材が新型コロナウイルスに対して抗ウイルス効果があるとの結果を確認したと発表したことが材料視されました。キユーピー(2809)も5.5%高となりました。コスト低減の取り組みを強化したことに加え、海外での利益回復が予想を上回る見込みであることから通期の営業利益の見通しを240億円から275億円に引き上げたことが好感されました。また、国内大手証券による目標株価の引き上げに大きく反応したのがSUMCO(3436)やワコム(6727)で、SUMCOが3.1%高となったほか、ワコムも9.4%高となりました。一方で電気自動車の米テスラ(TSLA)が家庭用エアコン事業への参入に意欲を示していると伝わったことでダイキン工業(6367)が2.6%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は106円安となりました。米カリフォルニア州で夜間外出禁止令が出るなど新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の制限を改めて意識した売りが出て米株価指数先物が時間外で大きく下落したことから売りが優勢となりました。しかし、昨日に続いて節目の25,500円を割り込んだ後に切り返す展開で、25,500円を下回ってくると押し目買いも入ってくるようで下げ幅を縮めて取引を終えています。それでも日経平均はこの3日間で500円近い下落となりましたが、この下げで25日移動平均線との乖離率が5%を切ってきました。丁度いいスピード調整になったとみることもできそうで、短期的な過熱感がやや後退するなかで連休明けに切り返すような動きがみられるかがポイントとなりそうです。
( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之 )