いよいよ10月も最終週になりましたが、日経平均株価の方向が定まりません。米大統領選の行方が最大の不透明要因となって投資家心理を冷え込ませており、東証1部の売買代金が、活況の目安となる2兆円を12営業日連続(10月27日現在)で下回っている状態です。
そうしたなか、先週再び新たな窓が発生しており、この窓を埋めるのかどうかも気になるところです。
新たに発生した窓と窓埋めについて
では、先週新たに発生した窓から確認していきたいと思います。小さくて分かりづらいかもしれませんが、10月21日と22日のあいだに小さな窓があいているのが分かります。
この窓は株価の方向が定まらないなか、高値圏で発生しているものの、過去の値幅の範囲内となっており、コモンギャップ(=普通の窓)ではないかと思われます。
25日移動平均線上を維持できるか要注目
仮にこの窓がコモンギャップだった場合、窓を埋めることが考えられます。10月27日の取引時間中には一時25日移動平均線を割り込む場面がありましたが、下ヒゲを形成して終値では25日移動平均線上を維持しております。ですので、このまま反発につながるようですと、高値圏に株価を戻すことが考えられるのではないかと思われます。
また、日経平均株価が今後25日移動平均線上を維持するようですと、下降中の5日移動平均線を上回ることも考えられ、もち合いが継続することになるのではないでしょうか。
一方で、この窓を埋められずに25日移動平均線を終値で割り込んでしまった場合、今度は75日移動平均線に接近したり、下回ったりすることも考えられます。同時に、前回コラムで指摘した17,000円台から22,000円台にかけて、あいたまま取り残された状態になっている窓を上から順番に埋めることも視野に入るのではないかと思われます。
ただ、このように指摘しますと、株価水準が低いことや、8月以降、25日移動平均線を下回っては直ぐに戻すといった底堅い値動きが続いていると感じている投資家にとっては、そこまで下落することは想像できないかもしれません。
しかし、このように「常識的に考えられないことが起こる可能性がある」ということを教えてくれるのが、テクニカル分析ではないかと思うのです。
以前、「埋めない窓はない」という相場の格言を紹介しました。2020年3月に安値をつけたあとの動きを見れば明白ですが、この格言通り株価は短期的に戻す結果となり、2月下旬から3月の安値をつけるまでのあいだに発生した窓を埋める結果となっているのです。
したがって、今後25日移動平均線を下回って戻すことができないようですと、(繰り返しになりますが)75日移動平均線を下回ると同時に、トレンドが転換する可能性が高まります。
そのため、これまで以上に注意し、「取り残された窓を埋める可能性がある」ことを頭に入れ、投資判断に役立てていただきたいところです。