株価水準は切り上がっているものの、日経平均は方向感に欠ける値動きとなっています。

それでは前回コラムでの指摘事項を振り返りながら、今後の動向について考えてみたいと思います。

前回コラム(もち合い時の考え方について)の振り返り

前回コラムでは、もち合い時の考え方について、「株価のもち合いが続いているあいだ、「下げると戻す」を繰り返すことから、どうしても先行きに対する値上り期待の方が大きくなり、買いポジションを増やしてしまうところですが、もち合いは上下に動き出す前の助走段階に当たります」と解説しました。

実際に先週の日経平均の日足チャートを見ても、連休明けとなる7月27日に大きく下落して始まりましたが、6月15日の安値と同29日の安値を結んだサポートライン上で下げ止まり、反発しているのが分かります。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓

ただ、翌営業日の7月28日には5日移動平均線を上回る場面がありましたが、押し返されて終えています。こうして見ますと、確かに「下げると戻す」を繰り返しているものの、高値の水準が維持できなくなって切り下がっているように見えます。

サポートラインを維持できるかがカギ

このような値動きになってきますと、上下どちらかに振れる可能性が高まっていることも予想され、動き出した方向と逆のポジションを持っている投資家は、損失の発生や拡大に注意が必要になるのではないかと思われます。

そこで注目されるのが、これまで下げ止まりの目途となっていた「サポートラインを維持できるか」です。

仮に維持できれば、「下げると戻す」の繰り返しが継続すると同時に、もち合い相場も続きそうですが、上値が重たくなりつつあるなかで、サポートラインを維持できずに終値で割り込んでしまうようですと、もち合いの継続を目論んでいた投資家の失望売りによって下方向に放れることが考えられます。そのため、買いポジションを持っている投資家は売り時を逃さないようにする必要がありそうです。

特に、今週から8月中旬まで国内企業の業績発表が続きますが、業績に対する投資家の失望が生まれたときは、もち合いの下放れが発生することも視野に入れておく必要があるのではないでしょうか。

一方で、期待以上の結果になるようですと、上放れることが考えられます。果たして上下どちらに株価が動き出すのか、今後も目が離せない状況が続きそうです。