7月に入り、株価は方向が定まらない状況が続いています。このような状況がいつまで続くのでしょうか。そのあたりも含め、前回コラムでの指摘事項を振り返りながら今後の動向について考えてみたいと思います。
前回コラムの指摘事項の振り返り
前回コラムでは、「高値を更新しても上放れできないようなケースでは、もち合いが続くことが考えられます。しかし、一方では一旦高値を更新していますので、上向きに変化した5日移動平均線上を維持するかどうかが次のポイントになります。仮に5日移動平均線上を維持するようですと、窓が発生しなくても、高値を更新することが視野に入ってきます。その反面、5日移動平均線上を維持できないようですと、もち合いの下限となる6月15日の安値近辺まで反落したり、下放れする可能性が出てきたりすることも考えられます。そのような可能性も考慮し、買いポジションを持っている投資家は売り時を逃さないようにしたいところです」とお伝えしました。この点について、7月14日現在の日足チャートで確認しますと、新しい窓は発生していないことが分かります。
一方で、5日移動平均線を下回ったり、上回ったりと、比較的狭いレンジで株価が上下に変動するなか、水準は徐々に切り上がっているように見えます。
注目すべきポイント
ここでのポイントは、前回のコラムで指摘した5日移動平均線上を維持すると同時に、時間をかけて緩やかに上昇するパターンになるかどうかという点です。7月14日現在では、5日移動平均線上を維持して水準を切り上げていますので、緩やかに上昇するパターンと考えられそうです。
今後の動向は?
そうしたなか、今後の動向についてですが、前述のように上向きの5日移動平均線上を維持できるかが上放れるかどうかのカギになりそうです。
仮に上向きの5日移動平均線上を維持するようですと、下向きの25日移動平均線が横ばいから上向きに変化することが考えられ、反落したときのサポートになるのではないかと思われます。その反面、5日移動平均線上を維持できずに割り込んで戻せないようですと、25日移動平均線を下回り、これまでと同様にもち合いが継続することが考えられます。水準を切り上げながら5日移動平均線上を維持できるかが、注目されるところです。
ただ、最後に1点だけ注意しておきたいことがあります。それは、下方向に窓が発生してしまうことです。5日移動平均線や25日移動平均線を下回り、200日移動平均線や6月15日の安値を一気に下回るような窓が発生した場合、75日移動平均線辺りまで下落することも考えられます。
したがって、底堅い動きに見える東京市場ですが、下方向に指摘したような窓が発生したときは警戒が必要になると思われます。