今後はコロナと付き合う暮らし方 

緊急事態宣言が解除され、徐々に街に活気が戻ってきています。これは喜ばしいことなのですが、新型コロナウイルスは感染の第2波の恐れもあると言われています。これから先も新型コロナウイルス以外の新しいウイルス等が出現し、混乱する可能性もあるでしょう。

こういうことを考えていくと、新型コロナウイルスが蔓延する前と同じような暮らし方はできません。つまり、今感じる暮らし方の変化やお金面での変化はこの先もずっと、付き合っていかなくてはいけないものとなるのです。

更に心配なのは、既に経済的な影響を受けている人は、それが長く続く可能性があり、かつ、いま影響が出ていない人にまで波及していくと考えられることです。人々の行動が変われば、店や企業の収入の得かたも変わってくるでしょう。それが経済全体に影響する可能性があるのではないかと考えられるのです。

このように社会が変化することが予想されますが、実際はどうなっていくのかは誰にもわからないところでしょう。ただ、私たちはその時の状況に合わせて、暮らし方にも家計の在り方にもお金の管理の仕方にも、間違いなく、向き合っていかなくてはなりません。

では、実際お金の面ではどういった点が変わったでしょうか。

コロナ禍におけるお金との付き合い方の変化 

もともと、消費税増税をきっかけにキャッシュレス化が徐々に進んでいた日本。同時に金融機関もデジタル化が進み、人員削減なども報道されています。つまり、今までもデジタル化、キャッシュレス化に向けて取り組んでいたけれど、新型コロナウイルスの影響を受け、それらが進んだという印象があります。

今では感染予防のため、人との接触をある程度避けられるキャッシュレス決済を選択する人が増えています。クレジットカードも店員にカードを渡すことなく、客が自ら決裁端末を操作する仕組みに変わってきています。キャッシュレス決済が利用できる環境を整える店も増えてきているのではないでしょうか。

一部の店舗ではキャッシュレス決済に伴う手数料の発生を嫌い、現金払いに限られることがあったようですが、今では以前よりもキャッシュレス決済が普及してきているように思います。

銀行も、必要でない場合は窓口に来ないよう呼び掛け、個人や企業にインターネット上での取引を勧めています。新規口座開設もWEBでできますし、通帳もデジタル化されています。

このように徐々に「現金」を目にしない暮らし方が進んできています。そしてそれは新型コロナウイルスが落ち着いてからのこの先も、進んでいくことでしょう。

家計管理は今後変わるのか?

家計についてはどうでしょうか。コロナ禍においては、交際費や娯楽費などは減ったものの、食費や日用品、光熱費などは増える傾向があったのではないでしょうか。収入が大幅に減ってしまった人は、支出のやりくりに困った面もあったことでしょう。

経済が回復しても、暮らし方が変われば以前と同じ収入に戻らない可能性もあります。家計はしっかり見直してご自身の消費のクセなどを把握し、管理したいところです。お金の在り方、見え方も変わっていますから、なおのことです。

ですが、家計の管理の仕方については変わりません。大原則でいうと「支出は、収入の中で収める」という非常にシンプルなものです。もちろん、必要なものにお金を使い、さほど必要ではないものの支出を抑え、コントロールしていくことも合わせて必要です。

収入が減ることで、そのコントロールも難しいという人もいるでしょう。しかし、ぜひ、あきらめないで必要な支出、そうではない支出を考えてみてください。どうしても難しければ、収入を増やすことも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

今回の新型コロナウイルスの影響により、現金、つまり預貯金の大切さを実感した人も多かったのではないでしょうか。ですから、このポストコロナ時代は改めて家計と向き合い、急な収入減にも対応できるように「生活を守るための貯金がある程度ある」状態を作ってほしいと思います。

もちろん投資を始めるということも大切ですが、それは生活を守る貯金ができてからでも、あるいは貯金が順調にできるなら一部を投資に回して並走するなど、段階を踏みながらでもよいのです。

多くの家計を見ていると、100人いたとしたら70人くらいの方は家計管理に気をつけていかなければならないように思えます。ご自身の根本に戻って基礎となる家計を見直した上で、可能であれば投資も進めていきたいものですね。