新型コロナの影響で経済大打撃、夏のボーナスは減少
そろそろボーナスが気になる季節です。ボーナスは業績により増減したり、場合によっては支給されなかったりとはっきりしない性質のもの。
今年は新型コロナウイルスの感染拡大により緊急事態宣言が出され、多くの業種で企業活動が大幅に縮小されました。多くの人の生活が変化し、収入の減少などが発生する場合もあると聞きます。このような状況ですから、うちは今のところ収入に影響が出ていないから大丈夫だと思っていても、夏のボーナスは実は多くの人において減少の懸念があるようにも思います。
各経済研究所の調査では、夏のボーナスは前年比4%から7%という大きな落ち込みが予想されています。新型コロナウイルスの感染が収束した後、景気が回復するスピードは各個人、各家庭での消費の回復度合いによるところだと考えられます。ですから、夏のボーナスの支給額が急減すれば、消費の回復が遅れることになる可能性があるのではないでしょうか。
ところで今年の臨時収入はボーナスだけではなく、「特別定額給付金」も世帯人数分もらえます。こうした臨時的な収入をいかに使い、残していくかということが、家計を守り、景気に貢献することに繋がります。今年のボーナスはどう使うのが良いか、考えてみましょう。
入ってきたお金は目的を明確にして、使い、残す
「ボーナスを何に使いますか?」という問いに対し、毎年「貯蓄」が1位となっていました。今年は全員が10万円を手にできる特別定額給付金がありますが、これも「貯金しようかな」という声が多く聞かれます。みなさん、まとまったお金は「貯めたい」という気持ちを強く持っているようです。
一方で、「ボーナスが出てもすぐなくなります」という人が、今も昔も変わらずにいます。何にいくら使ったかわからなかったり、家計の補てんでなくなってしまったり。クレジットカードのボーナス払いや分割払いなど、先送りした支払いが重なった結果という場合もあります。
特に今年、2020年の初めは、まだオリンピックの延期が決定していなかったので「オリンピックイヤーだし、株価も上昇している。夏のボーナスも通常以上かもしれない」と期待して、大きな金額の買い物をした人もいたようです。ボーナス時期は支払額を意識して、残りを計画的に使うようにしていきましょう。
特別定額給付金も、受け取る前に使う予定を立てることに注意してください。入金時期もはっきりしないでしょうし、当てにしてクレジット払いを多くしてしまうと、後に支払いが大変だ、ということになりかねません。何に、どのくらいお金を使い、いくらを残すかをきちんと計画を立てておきましょう。
このタイプが貯められない!
以上のことから、ボーナスなどの臨時収入を残しておけない人には、以下のような特徴があります。
1.毎月の赤字の補てんに使ってしまう人
そもそも毎月の収入の中で暮らすことができない人。毎月、赤字になる家計の人です。支出を把握できないので、収入の中に収めるということもできません。毎月の赤字の補填を全て、ボーナスでまかなっています。
今なら、外出自粛でどうしてもオンラインショッピングが多くて、カード利用が止まらなかったという人もいるでしょう。支払いをあとまわしにしても、払うのは同じです。
2.ボーナス払いで、大部分の使い道が決まってしまっている人
自動車ローンや住宅ローンなどでボーナス加算を利用している、クレジットカードでボーナス払いを利用しているという人は要注意。支払わなければいけないものを支払ったら、ボーナスが残らないことになりかねません。決まった支払いをした残りで旅行したり、衣類を買ったりなどすると、あっという間になくなってしまいます。
冒頭にもお伝えしましたが、ボーナスは金額が業績により増えたり減ったり、支給されなかったりが起こるものです。できれば、ボーナスを期待した支払い計画は立てない方が賢明です。
これからはボーナスを生かせる家計管理を
新型コロナウイルスの影響で、ボーナスの減額がすでに見込める人も多いでしょう。また、自粛の多い暮らしで毎月の収入が減り、生活費が不足したことで、貯金しておくことの大切さを実感した人も多かったことと思います。
家計管理の仕方自体はコロナの前後で変わることはありません。まず毎月の収入の中で、支出を抑えるようにするのが基本となります。そうなのですが、意識しなくてはならないのは、必要なことには納得してお金を使う。だけれど、もしもの時のための「生活防衛資金」なども持つこと。
これまでよりもより一層メリハリをつけた、攻めと守りの強化をしていただきたいということです。そのためにはボーナスが出るという人はぜひ、計画的に使い、そして残してください。いつも使い切ってしまっていた人(貯金が十分ではない人)は、もちろん支給額にもよりますが3割、欲をいえば5割を目標に貯金をされてはいかがでしょう。
というのも、今年のように新しいウイルスなど暮らしを脅かす事柄は今後も起こり得るからです。今年を教訓に、生活を維持するための貯金はしっかりつくる。それが強くできている人は、引き続き「投資」も継続するとよいでしょう。
まずは、家計管理をみなおし、ボーナスから貯金への取り組みを始めていくと良いと思います。