英ポンド/円(129.30~135.80)10月3日〜10月9日まで

アナリシス:

皆さん、こんにちは! ジョンソン首相は9月2日、これまで争点となっていたEU離脱後のアイルランド国境問題の解決策であるバックストップ案の代替案を正式にEU側に提出しました。この提案内容は、北アイルランドの民主統一党(DUP)も支持しています。

詳しく内容を見てみると、英領北アイルランドは製品基準面ではEU単一市場にとどまる一方、EU関税同盟からは離脱するのが前提となります。そのため、一定の通関検査は必要となるものの、国境での検査は行わない方向です。ジョンソン首相はこれを最終的な妥協案としており、EU側がこの代替案を受け入れなければ、合意なしに離脱すると強調しています。

この案では、農畜産物を含む製品貿易について、アイルランド島全体を規制上の単一領域としています。北アイルランドが今後もEUの規制に従うことで、国境での検査は不要となります。

一方、北アイルランドは英本土と共にEU関税同盟を離脱するため、EUとアイルランド間の貿易には一定の通関検査が必要となりますが、この検査は、輸出入業者の事業所またはサプライチェーン側で行い、国境での検査は実施しない方針です。通関手続きについては、移行期間中に「柔軟かつクリエイティブ」な解決策を模索し、現行ルールを改定・簡素化していく流れになりそうです。

ジョンソン首相は欧州委員会のユンケル委員長に宛てた書簡の中でこの妥協案は合理的なものと記しており、離脱期限の10月31日までの合意成立に取り組むよう呼びかけました。

同首相はこの日、英イングランド北部マンチェスターで開かれている与党・保守党の党大会での演説でEUが英国の妥協案に理解を示すことを期待すると話していました。

今後、9月17日のEU首脳会議に向けてEU側もこの代替案を精査していくわけですが、仮に10月17日の首脳会議においてこの代替案が認められるなら、大幅な進展となります。合意なき離脱の可能性がなくなるため、一気にポンド急騰となる可能性も大と言えるでしょう。

他方、米国株は軟調な動きとなり、為替相場もドル売り方向になっています。

米ドル/円は今朝、107円を下回る場面も見られていますので、このまま下落方向に進むのかどうかも注意が必要です。

それでは、月足チャートです。

【図表1】英ポンド/円(月足)
出所:筆者作成

月足トレンドレス下段、−1σ付近になります。10月に入り、現在は陰線となっています。上昇余地はMA付近まで、下落は−2σ付近となります。

続いて、週足チャートです。

【図表2】英ポンド/円(週足)
出所:筆者作成

基本ルールに則った判断では、ダウントレンドのミドル反発で第2波形成中。ほぼブレイクラインまでV字で戻ってきた後の下落ですので、きれいなダウントレンドの継続とはならない可能性が高いと推測します。来週にかけて下落したとしても126.600円付近までと想定します。

最後に、日足チャートです。

【図表3】英ポンド/円(日足)
出所:筆者作成

ダウントレンド後の中段保合いですが、トレンドレス認識に変更した方が無難な場面です。現在トレンドレス下段−2σまではゆとりがあり、このままドル円の下げに吊られて、−2σまでは下落すると想定します。その後は−2σに沿って下落していくか、一旦MA、ミドル付近まで上昇するかどうかといった状況です。

向こう1週間の重要指標です。

3日(木)
23:00 米・ISM非製造業景況指数

4日(金)
21:30 米・雇用統計
27:00 米・パウエルFRB議長発言

8日(火)
26:50 米・パウエルFRB議長発言

9日(水)
23:30 米・パウエルFRB議長発言
27:00 米・FOMC議事要旨

上記の分析から、エントリーポイントとしては以下のとおりです。

予想レンジ:129.30〜135.80     

メインストラテジー:

買いをするなら
・130.30円~130.50円もしくは130.80円~131.10円で日足トレンドレス下段逆張りを根拠にエントリー
・129.30円~129.60円の週足トレ転Wボトムを根拠にエントリー

売りをするなら
・短期トレードとして、131.60円を下にブレイクしたら短期足を使って戻り目でエントリー
・135.20円~135.50円もしくは135.60円~135.80円の日足トレンドレス逆張りを根拠にエントリー