英ポンド/円 (123.10~134.60)  8月22日〜8月28日まで

アナリシス:

皆さん、こんにちは! 8月のお盆相場となり、直近の1週間は動きも鈍い状態となっています。英国内では、ブレグジットの行方のニュースで様々な情報が交錯。ポンド関連通貨に関しては上下に振れる動きもありましたが、今週は限定的な動きとなっています。

8月21日、ジョンソン首相は独メルケル首相との会談を行いました。一番の争点となっていたのは、北アイルランドの国境問題をめぐるバックストップ案の取り消しです。ジョンソン首相はメルケル首相との協議の中で、バックストップ条項について30日以内に代替案を策定する方向となりました。

しかしながら、メルケル首相は実現可能な代替案を提案できるか否かはイギリス次第と言っており、内容によっては門前払いの可能性も残した形と言えそうです。

その他にも、合意なき離脱となれば、直ちにEU圏と英国間の自由な移動は終了することになると英政府は8月19日に発表しました。メイ政権時は段階的な撤廃の方向とされていましたが、ジョンソン政権下で合意なき離脱となれば、一気にEU圏内の人の入出国手続きに様々な規制が課される見込みとなります。

他方、米中貿易問題でのトランプ大統領のTwitter発言を含む表明により、一時的にドル買いに。米ドル/円をはじめとするクロス円が急騰する動きが見られた1週間でもありました。しかしながら、これらの動きも限定的なものとなっています。

来週からは欧米のバカンス時期も終了し、本格的にマーケットも動き出します。引き続きクロス円に関しては円高の動きとなるかどうか、ユーロ/米ドルに関しては、今年の最安値圏に位置していますが今後ドル売りとなり上昇傾向に転じるかどうか、また英ポンド/米ドルに関してもブレグジットの好材料が出てくればポンド買いの動きとなるかが注目されるところです。

それでは、月足チャートです。

【図表1】英ポンド/円(月足)
出所:筆者作成

トレンドレス下段、−2σ付近になります。このまま−2σに沿って下落を続けるかどうかの場面です。逆の見方をすれば、Wボトム場面となります。

続いて、週足チャートです。

【図表2】英ポンド/円(週足)
出所:筆者作成

ダウントレンド中で先週は陽線となり、戻り目形成場面になります。米ドル/円や英ポンド/米ドルが上昇するのであれば、ひとまず、−1σ付近まで上昇する可能性もありますが、週末にかけてこの2つの通貨が上昇しなければ、−2σ付近にむけて再度下落が想定できます。

最後に、日足チャートです。

【図表3】英ポンド/円(日足)
出所:筆者作成

ダウントレンド中のミドル反発場面です。129.65 付近が戻り目の高値となり、このまま−2σまで素直に下落するのか、ミドル反発が効かずに、+1σもしくは+2σまで上昇するかが考えられます。

向こう1週間の重要指標です。

23日(金)
8:30 日・全国消費者物価指数
23:00 米・新築住宅販売件数

27日(火) 
15:00 独・GDP改定値

上記の分析から、エントリーポイントとしては以下のとおりです。
予想レンジ:123.10〜134.60    

メインストラテジー:

買いをするなら
・126.80円〜127.20円付近で日足ダブルボトムのトレンド転換を根拠にエントリー
・週足−2σ越えで短期足ダブルボトムを使って週足トレンド転換を根拠にエントリー
(想定価格は、125.60円〜125.80円)
・129.60円〜129.70円を上に抜けたら短期足を使って押し目でエントリー。ただしターゲットは最長で日足+2σまで

売りをするなら
・129.40円〜129.70円の日足の戻り目と4時間足中段保合いからのエントリー
(既にタイミングを逸している可能性があるので、今後この場面がやってきても日足ミドル反発とならない可能性も十分にあるので、注意してください)
・126.80円〜127.00円を下にブレイクしたら、短期足を使って戻り目でエントリー。
最長のターゲットは週足−2σタッチまで。

※長期的にダウントレンドが継続する可能性もあります。トレ転狙いのロングエントリーは建値撤退を視野に入れ、長期足・短期足ともに−2σを越えている場面からのポジション取りをおすすめします。