英ポンド/円 (135.80~144.00) 5月23日〜5月29日まで

アナリシス:

皆さん、こんにちは!今週のポンドは大きな発表があり、今後のEU離脱問題の行方から益々目が離せない状況となっております。

メイ首相は21日、EU離脱協定法案に盛り込む新提案を発表しました。最も注目された内容は2度目の国民投票の是非を巡る下院での採決の約束です。ここにはメイ首相の狙いがあるようで、おそらく労働党議員の支持獲得を狙い、EUとの関税同盟を巡る妥協点を見出す為と報道されています。

一方、与党・保守党の離脱強硬派や北アイルランド・民主統一党(DUP)が反対するバックストップ(安全策)に対しても、両党の懸念を和らげる措置を盛り込んでいます。

しかしながら、メイ首相のこの新提案は与野党から早くも批判を受けているようです。その理由として、労働党のコービン党首は「関税同盟にせよ諸権利の保護にせよ、すでに議論済みの案の焼き直しに過ぎず、根本的な譲歩ではない」と言っています。

他方、保守党内でも離脱強硬派に属する議員は関税同盟の譲歩案についてかなりの反対姿勢を見せているようで、首相の早期退陣を求める態度も辞さない様相を呈しています。

以上のように与野党からは新提案への批判が噴出しており、6月3日の週に予定される採決で同法案が可決される見込みはかなり薄いとの見方が濃厚なようです。

この一連の新提案発表が報じられると、一時的にポンドは急騰。メイ首相の発表後は結局発表前の価格に戻り、行って来いの相場に。翌日には先行き不透明感から、さらに下落した形となりました。

一方で米中問題も継続しています。米政府による中国通信機器大手ファーウェイへの輸出禁止措置により株価が先週より下落するも、火曜には既存製品保守に対しては米政府の規制措置に3ヶ月の猶予期間を設けると発表されるやリスクオンの動きとなり、株価も上昇。ドル高の動きとなりました。

こうした状況をふまえ、今後の英ポンド/円の動きを想定したいと思います。

まずは、月足チャートです。

【図表1】英ポンド/円(月足)
出所:筆者作成

月足トレンドレス下段、−2σ付近になります。米ドル/円、英ポンド/米ドル、ともに下落となれば、このまま下値を更新していく場面になります。

続いて、週足チャートです。

【図表2】英ポンド/円(週足)
出所:筆者作成

トレンドレス下段。−2σまでゆとりがありますので、138円前半までは下げ余地ありと見ます。上昇するならMA、ミドル付近までです。

最後に、日足チャートです。

【図表3】英ポンド/円(日足)
出所:筆者作成

短期的にはダウントレンド中。このままトレンドが継続するなら、137.80円近辺まで下落した後、戻り目を形成することも想定できます。

向こう1週間の重要指標です。

24日(金)
8:30 日・消費者物価指数

30日(木)
21:30 米・GDP改定値

上記の分析からエントリーポイントとしては、以下のとおりです。

予想レンジ:135.80〜144.00               

メインストラテジー:

買いをするなら
・137.70円〜138.00円 月・週足トレンドレス下段逆張り+日足トレ転を根拠にエントリー
・137.90円〜138.20円 週足トレンドレス下段逆張りを根拠にエントリー

売りをするなら
・139.30円〜139.40円を下にブレイクしたら短期足を使って戻り目でエントリー
・139.30円を下にブレイクしたダウントレンドを確認後、1時間足もしくは4時間足のMA、ミドル反発の戻り目+短期足中段持ち合いでエントリー
(価格未定)

ポンドが下落を続けている状況では、英ポンド/円もダウントレンドが継続する可能性がありますので、むやみに逆張って買いポジションを取るのは気をつけましょう!